今季もあるか!? J1、奇跡の大逆転残留を果たしたクラブ(5)大型補強も8連敗…。それでも耐えた名門
今季の明治安田J1リーグはクライマックスに近づいている。すでにサガン鳥栖のJ2降格が決まった「残留争い」はさらに熾烈さを極め、最終節まで予断を許さない状況だ。どんなに厳しい条件でも望みがある限り、J1残留を諦めてはいけない。今回は、J2降格が濃厚と思われる状況から逆転残留に成功し、伝説となったクラブを紹介する。※成績はデータサイト『Transfermarkt』を参照
名古屋グランパス(2018シーズン) 監督:風間八宏 今季限りで名古屋グランパスを退団することが決定しているGKミッチェル・ランゲラック。彼が初めてJリーグの舞台に立った2018シーズンに、名古屋は劇的なJ1残留を果たしている。 2018シーズン、名古屋を率いる風間八宏監督はジョーやランゲラックといったビッグネームを獲得する大型補強を敢行。チームへの期待は否が応でも高まっていた。 その期待に応えるかのようにチームは開幕2連勝に成功。上々のスタートを切ったかに思われたが、その勢いに突然急ブレーキがかかる。 名古屋は、第4節から第11節にかけてまさかの8連敗。一気にJ2降格圏に引きずりこまれ、最下位を彷徨うことになった。大きな問題は、8試合中6試合で3失点を喫したディフェンス面である。 この状況を受け、クラブは夏の移籍市場で中谷進之介、丸山祐市ら実力派ディフェンダーを獲得した。この補強の効果は顕著に現れ、名古屋は第19節で第2節以来の白星を飾ることに成功。さらにこの試合から第25節まで7連勝を達成している。 とはいえ、前半戦の取りこぼしが響いて最後まで残留争いからは抜け出せず。最終節の湘南ベルマーレ戦では2点を先制される苦しい展開から何とかドローに持ち込み、他会場の結果を待つ状況に。最終的に得失点差でジュビロ磐田を上回り、ぎりぎりでJ1残留を決めることとなった。 苦しいシーズンとなったが、この年に獲得した選手たちが後に2021年、そして2024年のYBCルヴァンカップ制覇の原動力となる。そういう意味では、名古屋にとって2018シーズンは成功のために乗り越えなければならない試練だったのかもしれない。
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