【都道府県別】目利きが選ぶ、自慢のご当地クラフト
日本各地に存在する素晴らしい〝ご当地クラフト〟の魅力を再発見。推薦者は、その土地に縁のあるファッションコミュニティ47人。確かな審美眼で選んだ、現代の暮らしにも似合うモダンな品や隠れた名作まで。〝地元愛〟とともにプレゼンします! 【写真】47都道府県別に厳選! 自慢のご当地クラフト
【長野県】鳩の砂糖壺
小沢 宏さん (スタイリスト、『エディストリアルストア』店主) 工芸作家の春原敏之さんが1点ずつ丁寧に制作している信州定番の民芸品。長野県産の白樺を使った鳩モチーフの砂糖壺は、食卓に幸せを運びそう。スプーンの柄部分は壺に収納するとシッポに見えるのも愛らしい。「どことなく北欧を彷彿とさせるルックス。本来はお菓子や砂糖入れが用途らしいのですが、アクセサリーケースや鍵などをまとめておくボックスとしてもよさそう」。
【北海道】内田 悠の盆
吉田佳世さん(スタイリスト) 北海道三笠市に工房を構える木工作家の内田悠さん。素材自体を生かしたデザインが特徴で、木材に合わせた "かたち"、加工方法を採る。「木製食器は、どうしてもほっこりした印象になりますが、内田さんの作品には、繊細さがある。同時に木そのものが持つ雑味も残した独特のムードが好きです」。一つひとつに木目の出方、色などに個性があるのも魅力。
【青森県】南部裂織(さきおり)kofuのブックカバー
栗本千尋さん(フリーランス エディター/ライター) 「寒冷な気候ゆえ綿の栽培が困難で、貴重だった木綿や古手木綿を再利用する知恵から生まれた"南部裂織"。服を細く裂いた布を横糸に、木綿糸を縦糸にして織るから暖かいうえに丈夫。こちらは地元の企業『金入』のオリジナル柄です」。温かみあふれるタータンチェックのようなテキスタイルは、クラフト感たっぷり。使い込むほどに柔らかさが増す。トートバッグやポーチなども。
【秋田県】イタヤ細工の盛皿 鉄線編み
佐藤里沙さん (スタイリスト) 地域で採れる素材を用い、編み方によって独創的な柄を表現する編み組み細工。秋田県仙北市では、白木の繊細さが際立つイタヤカエデの若木を使用。「軽くて丈夫で、濡れてもすぐに乾く。経年によって飴色に変化、使いながら完成されていくところも魅力です。朱色(φ24×高さ3.5㎝)のほか無彩色や、黒とグレーの3色バージョンも」。果物やパンなどをのせるだけで食卓が鮮やかに。 SOURCE:SPUR 2024年7月号「振り返れば地元がすごい!目利き47人のご当地自慢品」 photography: Asa Sato text: Yukino Hirosawa, Minori Okajima