読書に没頭できる高原の宿|高原のホテル ラパン(群馬県)【暖炉のある湯宿】
時間を忘れ本と向き合い自分と向き合う悦び
館内には静かに寛げるスペースが複数ある。ライブラリーコーナーがある「高原の談話室」では、コーヒーや紅茶を手に読書にふけることができる。さらに森を眺めるテラスもあり、夕刻になるとキャンドルに火が点り、静寂がいっそう増すようだ。 「こうして自然の中に身を置くと原点回帰するようですね。以前、屋久島で撮影があったときに、許可を得て一般の方が入れない森の奥まで行きました。撮影ですから一日中、その森の中にいるわけです。ただじっと森を見ていたり、少し散策したりというのが、まったく飽きないのです。火もそうですが何時間でも見ていられます。自然の威力に対し、自分が無になるように感じますし、心が豊かになるように思います。このホテルであれば大雨や雪を見ても楽しめそうですね」(篠井さん)
手間暇かけた高原フレンチ
夕食は群馬の野菜を中心に彩りよく仕立てられたフランス料理。都内のレストランと南フランスで修業を積んだ料理長の宮崎芳紀さん(36歳)が腕を振るう。もともと宮崎さんの父親がスキー客用のペンションとして宿の経営を始め、17年ほど前から現在のオーベルジュスタイルにしたという。 先付から始まるコースは8品で、魚料理・肉料理の前に供されるのが、看板料理のキャベツのステーキである。ホテルがある嬬恋村は日本一の生産量を誇る高原キャベツの産地。キャベツの美味しさを知り尽くした宮崎さんが、その旨みを一皿に閉じ込める。キャベツ本来のみずみずしい甘みと濃厚なクリームソースが絡み合い、極上の味わいを醸し出す。料理に合わせたワインやシャンパンも豊富で、食事の楽しみをさらに引き出してくれる。 「気取らずに美味しいフランス料理をいただける洋風の旅館のようで、日本人には相性が良いと思います。高原の味覚を味わいました」と、その味とスタイルに篠井さんも満足げだ。
客室でリラックスしなめらかな湯で潤う
客室は本館と別館にあり、ツインや和洋室、岩盤浴付きの部屋などそれぞれ趣が異なるが、各部屋に共通するのは温泉の半露天風呂と、独立したダイニングルームがあることだ。自宅にいるように寛いでもらいたいという思いから、食事は基本的に部屋食、というのも気が利いている。客室にも大きな窓が取られ、四季折々の風景を楽しむことができ、時期により鹿なども出没するとか。朝は降り注ぐ陽光が目覚めを促してくれる。