不破聖衣来、大学ラストラン「最後にチームのみんなと走れる喜び。楽しみです」/富士山女子駅伝
師走の富士山麓を駆け抜ける「全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)」は30日午前10時から、静岡県の富士市と富士宮市の7区間43・4キロで行われる。29日には富士市内で監督記者会見と開会式が行われた。拓大は最長区間の5区(10・5キロ)に1万メートルで日本歴代3位の記録を持つ不破聖衣来(4年)を起用。1年時に同区で区間記録をマークして以来、3年ぶりに出場する大会で復調をアピールする。 【写真】不破聖衣来を中心にガッツポーズをする拓大の選手たち 苦しいことが多かった4年間を笑顔で締めくくる。不破が学生最後の駅伝を前に思いを語った。 「不安もあるけど、一番は最後にチームのみんなと走れるという喜び。楽しみです」 3年前の12月には、世間の注目を集める走りを連発した。1万メートルで日本歴代2位(当時、現在3位)の30分45秒21をマーク。その半月後のこの大会では各校のエースが集まる5区で10人抜きを演じ、32分23秒と区間記録を1分54秒も更新した。 〝超新星〟と期待されたが、翌年以降は相次ぐけがに苦しみ、2年の秋以降は大会から遠ざかった。それでも治療と地道な肉体改善に励んできた。今年4月の競技会以降は練習の一環として定期的に大会に出場し、階段を一段ずつ上がってきた。「夏以降はけがもなく、意図する練習内容を継続してできた」と五十嵐利治監督。不破は「出られなかった2年の分、走りたい思いは誰よりも強い」と目を輝かせる。 10月の全日本大学女子駅伝(仙台)で2年ぶりに駅伝に復帰し、エース区間の5区を走ったが体調不良で区間7位。「悔しい思いをした分、今回は走りで貢献したい」。 卒業後は実業団の三井住友海上に進む。そこへ向けて「けがなく練習を積むのが目的」という現状だが「不安なく、いい状態」という。記録を狙う考えはないが、想定する1キロ3分15~20秒で走れば34分台中盤となり、上位とも戦える。「感謝の思いを込めて、次につながる走りをしたい」。有終の美を飾る。(只木信昭) ★富士山女子駅伝とは