大谷翔平の”キン肉マン化”は本当に間違っているのか?
右肘のリハビリを終え、今季から二刀流復活が期待されるエンゼルスの大谷翔平(25)がムキムキの肉体でスプリングトレーニングに登場していることがファンの間で話題になっているが、球界の大御所、張本勲氏がTBS系列の「サンデーモーニング」内で、「あんな体を作っちゃダメ。プロレスじゃないんだから。ケガする」と発言。ウエートトレに批判的立場だったイチローの例も出てきて、その肉体改造を巡ってネット上でも賛否両論が巻き起こっている。 張本勲氏の問題の発言は、大谷がノースリーブのシャツを着て、まるでポパイのようにムキムキになった肩、腕の筋肉を披露した映像を見たところで生まれた。「あんな体を作ってはダメ。プロレスじゃないんだから。野球に必要な体だけでいいんですよ」 さらに張本氏は、「ケガしますよ。体の大きい人は膝に負担がかかるから。まして人工芝。ケガが非常に多くなる。やってもそれ以上に走ればいいですよ。逆だもん。上半身ばっかり鍛えてもダメ」と、マッチョ化を断罪した理由を説明していた。 ファンからの“ヤフコメ”での意見を見ていると、「すべて本人次第」「選手それぞれによって違う」「勝手な思い込みで決め付けてしまわない様に」「張さんの主張は大谷選手も十分分かってるだろう。今年は、この体づくりでチャレンジするって決めたのだから、その大谷選手を応援してあげましょう」といった批判的な声だけでなく「これだけは張本の言うことが正しいと思う」「ピッチャーでこの体では無理」という賛同の意見もあった。 では、大谷の方向性は本当に間違っているのだろうか。 スポーツ・ニュートリションの第一人者で、フィジカルトレーナーとしてもプロレスラーの武藤敬司の指導から、今春キャンプでは阪神タイガースの特別講師も務めた「桑原塾」主宰者の桑原弘樹さんは、こんな指摘をした。 「大谷選手の実際の体もトレーニングも見ていないので詳しいコメントはできませんが、映像で見る限り、あれくらいでマッチョというのかなという疑問が浮かびます。偶然ですが、数年前に大阪のゴールドジムで日ハム時代の大谷選手がトレーニングをしている風景を見かけたことがあります。体は大きいが、まだ肉体的にはノビシロがあるなという印象を受けました。段階的にトレーニングをされているようですが、映像だけで正確な判断はできませんが、ようやく体が出来上がってきたなあという感想を抱きました。誤解を恐れずに言うと、三頭筋がムキっと出ただけで、マッチョだ、筋肉マンだと大騒ぎするほどではありません」 専門家から見ると無謀な肉体改造には見えなかったようだ。