本当は怖い「英語の早期教育」子どもの脳に起こる悪影響のリスクとは?
娘は小学5年生の冬にブラジルでの国際キャンプに参加しました。けれども、それまで英語塾に通わせるなどの教育は一切行っていなかったので、日本語以外しゃべれない状態での参加でした。現地では、身振り手振りで意思の疎通を図りながら多国籍のルームメイトたちと仲良くなり、楽しい経験ができたようです。 私としては、「英語が話せないのにどうやって?」と不思議でなりませんでしたが、その時から娘自身も「もし英語でコミュニケーションが取れたら、もっと楽しいだろうな」と気運が高まったようです。 そして中学2年生の夏休みも終わりに近づいたある日、リビングにいた娘が何やら洋楽を口ずさんでいました。よくよく聞いてみると、なんと『glee』の挿入歌ではありませんか。 「いつの間に?」と思い、聞けば娘に貸していたパソコンに、たまたま私の『glee』のDVDが入っていたことから、私が仕事で留守にしている日中に1人で観ていたようです。 娘は夏休みの間中、ずっと『glee』を観ていたそうです。海外版ですから日本語の字幕はなく、ストーリーを追う手掛かりは英語による音声と字幕しかありません。それにもかかわらず、娘はセリフをほとんど暗記していました。
ここから娘は洋楽好きになり、ケイティ・ペリーやテイラー・スウィフトの歌を聞いては、歌詞をすべて暗記し、発音まで完璧になっていました。そして高校に上がる頃には学校以外での英語教育ゼロ、海外居住経験ゼロにもかかわらず、帰国生ばかりが在籍する特別クラスに選抜されたのです。 このクラスではアメリカの高校で採用されている全編英語の教科書を使い、ネイティブの先生が英語で進行するハイレベルな授業が行われています。この展開には、親の私もただただ驚かされるばかりでした。 ● 「英語欲のきっかけ」を 置いておくだけでOK 私としては「娘をバイリンガルに育てよう」と思ったことは一度たりともありません。 私がしたことといえば、自分が好きなミュージカルに娘を巻き込み、自分のお気に入りのDVDを家に置いておいただけ。 むしろ、娘が『glee』と出会ったことはアクシデントと言っても過言ではなく、私には予想もつかなかったことです。娘の英語への意欲が高まっていたタイミングで、ちょうど手を伸ばせる位置にDVDが置いてあったことが結果的に良かったのです。 むしろ、早期教育や英会話教室などではなく、娘は自分の中で英語への情熱をじっくり育てることができたからこそ、演劇やDVDが起爆剤となり、伸びるべくして伸びたのだと思います。