本当は怖い「英語の早期教育」子どもの脳に起こる悪影響のリスクとは?
● 「英語欲」を育てたら 子どもは勝手に勉強する 海外生活を経て私が思うことは、語学というのは「どうしてもこの言葉を話したい」という欲求や必要性に駆られれば、自ずと身につくものだということです。タイミングは人それぞれ異なりますし、何歳から始めても遅いということはありません。 そこで、英語の早期教育よりも私がお勧めするのは、日常生活の中で子どもが自然と英語を好きになれる環境を提供してあげることです。 自宅に外国人の友達を招いたり、一緒に英語のアニメを観たりと方法はいくらでもあります。本人が英語に興味をもち、自ら学びたいという思いを育てることができれば、子どもはひとりでに勉強し始めます。 わが家の場合、娘にとって英語学習のきっかけは演劇と海外ドラマでした。学習塾や習い事にほとんどお金をかけなかったわが家では、その代わり、ミュージカルやコンサートにはお金を惜しまず、家族で頻繁に出かけていました。理由はもちろん、私自身が歌や演劇が大好きだからです。 舞台やライブではその瞬間、その場所にのみある「気」が、五感すら超えたところから脳に刺激として入ってくるような気がします。この体験を超える脳育てのツールは、他にないのではないかと思うほどです。
舞台『レ・ミゼラブル』も、そんな私のお気に入りの1つでした。娘が初めて観劇したのは、中学3年生の時でした。娘は終演後に売店に直行し、英語版の原作を購入すると帰りの電車で一気に読み終わりました。 娘があんなに集中して洋書を読んでいる姿を見たのは初めてで、むしろ「英語読めたっけ?」と驚きました。そして数年後、再び一緒に観劇した時には、なんと英語の劇中歌をすべてそらで歌えるようになっていたのです。 ● 海外居住経験ゼロの娘が 帰国生クラスに選抜! もう1つ、娘が英語力を伸ばすきっかけになったのがアメリカのテレビドラマ『glee(グリー)』です。このドラマが、娘の英語力を爆発的に上げる要因になりました。 もともと『glee』は私のお気に入りのミュージカルドラマでした。初めはレンタルDVDを観ていたのですが、そのうち「日本にまだ入ってきていないシーズンが観たい!」と思い、ある時学会でアメリカに行った際に、友人に頼んでDVDセットを買っておいてもらったのです。