東京発アメカジブランド「SUNNY SPORTS(サニースポーツ)」20年の歴史と進化
2004年、sunny inc.代表の北原 信也さんが“リアルに感じてきたアメリカを表現したい”と立ち上げた「SUNNY SPORTS(サニースポーツ)」。アメリカのユーティリティウエアをベースに、現代的エッセンスを加えた東京発アメカジブランドだ。 アメカジやアメリカンビンテージファッションが好きで、それを追求していくなかで得た知識を用いて作り出されるアイテムには、“知っているからこそできる”仕様やデザインが散りばめられている。 今回は北原さんにブランドを立ち上げた頃のお話や、20周年を迎えるSUNNY SPORTSの今シーズンのプロダクトを紹介してもらった。
雑誌『BOON(ブーン)』や古着屋に通って得たビンテージ知識
「もともとは古着が好きで、20歳ぐらいのとき、ちょうど日本は1990年代のビンテージブームで、雑誌『BOON(ブーン)』などを見たり、好きな古着屋に通ったりして、ビンテージの知識をつけていきました。 その後、アパレルが職業になり、アメリカにも頻繁にいくようになり、見てきたものをベースにアップデートした洋服を作りたいという気持ちでSUNNY SPORTSを立ち上げました。
最初に作ったアイテムはシャンブレーシャツ、Made in USAのスウェットシャツとフーディです。 シャンブレーシャツはビンテージでもよく見られた、3本ステッチで巻き縫いのワークシャツで、スウェットシャツはフリーダムスリーブ[1]のもの、フーディは“後付けパーカー”の仕様でした。 あとはTシャツもMade in USAのものにプリントは日本で入れる、という仕様で作っていました。これがSUNNY SPORTSの出発点だったと思います」
日本のアメカジブランドが、アメリカで展開される
ブランドのはじまりのお話を聞いたところで、この20年のなかで、北原さんの印象に残っているエピソードをお話しいただいた。
「2010年代に入ると『PROJECT(プロジェクト)』や『Capsule(カプセル)』といった海外の展示会に出展するようになったのですが、そこから『STEVEN ALAN(スティーブンアラン)』や『Fred Segal(フレッドシーガル)』などアメリカの有名セレクトショップなどでSUNNY SPORTSを取り扱ってもらえるようになりました。 海外展開は4年ほど続けて、欧米を中心に40店舗ほど取扱店ができまして、逆輸入というわけではないのですが、アメカジやアメリカンビンテージがデザインの根底にある日本のブランドを海外展開できたことはうれしかったです。 その頃は年間100型ほどアイテム展開していたのですが、もっと肩の力を抜いてデザインがしたいという思いが強くなり、現在は国内だけの展開に戻しました」