なぜ岡崎慎司はミラクル・レスター時代を後悔しているのか? 日本人が海外クラブで馴染めない要因とは<RS of the Year 2024>
「日本人が海外のクラブになかなか馴染めないのは…」
「もっと楽しんで良かったのかなって、プレミアリーグで。途中から出るときもあれば、先発で出て50~60分で交代ということもありました。満足いかないこともたくさんあったし、ストレスは溜まるかもしれないけど、でも……」 そう言って少し呼吸を整えてから、岡崎は改めて言葉に力を込めて話し始めた。 「プレミアでプレーしているんですよ、俺。そこで優勝もして、UEFAチャンピオンズリーグにも出て。それって本当にすごいことで、俺自身もずっと願っていたステージで。それなのに、なんであんなにも自分に厳しかったんだろうって思い返すんです。あんなにイライラしなくてもよかったなって。プレミアでプレーする気持ちよさっていうのをあのときにもっともっと味わっておくべきだったなって。 だから、今こっち(欧州)で頑張っているみんなには知ってもらいたいんです。海外でプレーすること自体が、そこで自分の居場所を見つけること自体が難しくて、すごいことだって。そんな自分を認めて、そのうえで、そこでできる全力の戦いをしていく。その先に代表があったり、ビッグクラブへのステップアップがあったりしていいと思うんです。 日本人が海外のクラブになかなか馴染めないのは、先を見過ぎているのが理由の一つとしてあるのかもしれない。俺もそういう生き方を選んできました。でも今振り返るとその生き方だと、やっぱり残るものが少なかったかなって。 なんかもったいないじゃないですか。せっかく自分が海外に出てたどり着いたクラブだし、もっとそこに自分を残していくべきだと思う。そのためにはもっと今の取り組みにフォーカスする。そこでの生活を充実させて、チームで思いっきり楽しむとか、自分のプロセスを楽しんでいくっていうのも必要だし、大切なんじゃないかなと思います。だから今はその後悔を取り戻すかのようにレスターに行ってみんなに挨拶したり、これからシュツットガルトとか、マインツにも顔を出したりしようかなと考えています」