「政府の景気回復宣言」と「国民の景況感」が嚙み合わないトホホな理由【経済評論家が解説】
景気の方向を変えるのは「外部要因」と「財政金融政策」
景気は自分では方向を変えませんが、実際には頻繁に方向が変わっています。それは、外から景気を動かす力が働くからです。米国発のリーマン・ショックで日本の景気が劇的に悪化したように、海外の景気変動が輸出等を通じて国内経済に影響する場合が多いですが、新型コロナ等の影響でも景気は変動します。 外部要因と呼ぶべきか否かは難しいところですが、バブルの崩壊とその後の金融危機も景気を悪化させます。バブルは滅多に起きないことだと思われがちですが、日本の平成バブル、米国のITバブル、米国の住宅バブル(リーマン・ショックの源)と立て続けに起きており、今後も起きると考えておいたほうがよいでしょう。 政府日銀が景気を変動させる場合もあります。政府は減税や公共投資で景気を回復させようとします。これを財政政策と呼びます。日銀は金利の上げ下げ等で景気を調節しようとします。これを金融政策と呼びます。景気が悪いときに景気を回復させようという場合が多いですが、景気が過熱してインフレが心配なときには景気をわざと悪化させてインフレを抑える場合もあります。 財政政策と金融政策については、別の機会に詳述することとしましょう。 今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。 筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「THE GOLD ONLINE」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。 塚崎 公義 経済評論家
塚崎 公義