コンビニで進む「レンジでチン」革命――もうおでんは1日で捨てない
たとえばローソンでは、「野菜を食べるガパオライス」など、パッケージに「ナチュラルローソン」(NL)マークが入った冷凍食品が女性を中心に人気だ。もち麦を配合したごはんに、1食分の野菜(120グラム)が取れるという仕立て。「目玉焼き風卵」まで載っている。これが「レンジでチン」ですぐ食べられるのだから、究極の便利さだろう。
業界最大手「セブン-イレブン」(以下セブン)も、技術の進歩を背景に冷凍食品のイメージを変えようとしている。これまで冷凍食品はお弁当向け、自宅での保存用というイメージも強かったが、それは過去のものになりつつある。 そのイメージ転換に必要だったのは、マイナス温度帯から高温へと、温度の急激な変化に強い「専用容器」の開発だ。セブン商品本部の冷凍食品担当・鍵村信弥さんは、2018年に発売した「セブンプレミアム 炒め油香るチャーハン」が一つのきっかけになったという。鍵村さんはこう言う。
「加熱後、手で持って運んだりそのまま食べられるようにカップラーメン型の容器を米飯用に開発しました。これによって、オフィスで働いている人、あるいは自宅でしっかり食事をとりたいというニーズにも応えられるようになりました」 レンジでチンし、食べてみると、おいしさはお弁当のチャーハンと遜色がない。米のパラパラ感としっとり感のバランスがよく、油の風味もいい。鍵村さんはこう言う。 「分量はお茶碗約1杯分の170グラムとなっていて、サラダやお惣菜と一緒に購入するお客さまが出てきました。これまで冷凍食品は、主婦や中高年のお客さまを中心に夕方に売れるという特徴がありましたが、この商品を出して以降、平日のランチタイムでも売れるようになりました。オフィスで働く方、単身生活者の方にも召し上がっていただいています」
チャーハンに続いて、新たな売れ筋も出てきた。1月下旬に発売した「セブンプレミアム 冷凍トレーパスタ」シリーズがそうだ。レンジアップの際、お皿に移さず容器のまま温められ、そのまま食べられるトレー容器を開発した。 「コンビニの1500Wレンジで温めると、パスタソースは高温まで一気に上がることがあります。これまでの容器だと加熱後に変形してしまう可能性があり、耐熱性のある容器の開発は必須でした」