「自分を進化させるんは、やっぱここやな」 米ツアー挑戦の理由/山下美夢有インタビュー<前編>
背中を押したザ・クラブatカールトンウッズ
―シェブロン選手権は初出場で17位になった 「コース(ザ・クラブatカールトンウッズ)がすごく難しくて『ほんまにやりがいあるな』って思ったんです。本当に技術が重要になる。今の自分の実力が絶対にわかる。そういった部分で『自分はやっぱここやな。レベルアップするために、気持ちの面でも、自分を進化させるためには、ここで勝たないとな』とすごく感じた。ほんでもう『絶対(予選会を)受けよう』と。その時にはもうお父さんにも(予選会に)『行く』と言ってました」
―山下さんにとって難しいコースって言うなら、2023年のペブルビーチゴルフリンクス(全米女子オープン会場)でしょ? メジャー出場2戦目で「衝撃やった」「経験したことない難しさやった」と言ってた。それと違うものを感じた? 「だいぶ感じましたね。あの時は海外志向もあんまりなくて。(2日目がプロ転向後のワーストスコア79と)ズタズタにやられたんで、それ(海外志向)よりも『足りひんな、このレベルやったら(プレー)できひん』と思ったことの方が強かったです」 ―米ツアーに挑戦する人は雰囲気、顔ぶれの違いとかを理由に挙げることも多いけど、それよりもコース? 「私はコースですね。人とかはあんまり…。そりゃコミュニケーションをとっていくうちに、徐々に気になるかもしれへんし、もちろん大事と思います。でも、やっぱ一番は『LPGAで勝つ』っていう気持ちがあって、それには難しいコースと戦っていかないとあかんから。甘さとか中途半端なものがあったりしたら絶対にダメ。その気持ちは絶対に忘れたらあかん。何のために行くかってこと。そう思ってます」
難しさが「楽しい」
―具体的にはどんな難しさを感じたの? 「ほんまに全体です。コース全部が難しい。セッティング。ティイングエリアから全然違うんですよ。日本ってだいたい似てるじゃないですか? もちろん日本が悪いとか言ってるんじゃないですよ。でも、普通に(ティイングエリアから)ドーンとしてて、グリーンも大きくて、ピンサイドに外しても寄せられる、ミスしてもカバーできる」 ―米ツアーではそうもいかん? 「(半笑いで)はい。向こうってミスしたら終わりなんです。そこに外したら、絶対にダボ、ボギーがすぐに来るとか、割り切らなあかん。だから、やっててほんと楽しいんです。いかにバーディをとるか、どうやってパーにするか。それこそQシリーズのコースも難しかったですよ」