【闘病】謎の手先のしびれは難病のサインだった…《慢性炎症性脱髄性多発神経炎》
産後の健康相談から「慢性炎症性脱髄性多発神経炎(まんせいえんしょうせいだつずいせいたはつしんけいえん)」の診断を受けた鈴木美幸さん。 【イラスト解説】免疫異常が原因の「シェーグレン症候群」の症状 再発を繰り返すと言われるこの難病を抱えながら、3人の息子さん(取材時)の子育てと仕事を両立しているそうです。慢性炎症性脱髄性多発神経炎とはどのような病気なのか、また現在の身体の状況について、話を聞きました。
病気の診断を受けてもすぐに寛解(かんかい)
編集部: 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(まんせいえんしょうせいだつずいせいたはつしんけいえん)とはどのような病気なのでしょうか? 鈴木さん: 手足の筋力低下やしびれがある末梢神経の病気です。「腕が上がらない」「お箸がつかえない」「階段が登れない」「転びやすい」「手足がピリピリしびれる」といった症状が出ます。再発をくり返す病気です。 編集部: 診断される前に、病気の兆候はありましたか? 鈴木さん: 2016年6月に、左手小指のしびれを感じるようになりました。 7月にしびれの範囲が広がり、両手両足がしびれて物を落としたり、歩くときに両足を引きずったり、立ち上がれなかったり、目が見えづらかったり(距離感が分かりづらい)、さまざまな症状が出て、明らかに何かがおかしいと感じるようになりました。 編集部: 病気はすぐに判明したのでしょうか? 鈴木さん: 2016年8月、産後の健康相談で症状を伝えると「脳梗塞かもしれないから、早めにMRIを撮りましょうね」と言われ、近所の脳神経外科を受診しました。しかし、原因は分からず、別の病院を紹介されました。 編集部: 紹介先の病院ではどのような検査を受けましたか? 鈴木さん: MRIを受け、画像を見て「入院が必要です」と言われ、夫のお盆休みに合わせて入院することになりました。「MRI」「血液検査」「髄液検査」「神経伝導速度検査」の結果、「慢性炎症性脱髄性多発神経炎」と診断を受けました。 編集部: 治療について、どのような説明がありましたか? 鈴木さん: 治療については、詳細や方針の相談は特になく、免疫グロブリンの点滴を5日間と、ステロイドパルス療法の点滴を3日行いまして、それでほぼ寛解となりました。 編集部: すぐに寛解できたのですね。ほかの治療などはなかったのですか? 鈴木さん: 治療と同時に作業療法と理学療法でリハビリがはじまりました。ほかには神経内科と一度だけ視野検査で眼科にかかりました。今でも、年に1度MRIを撮って経過を確認しています。