新しい価値観を生んだ! 「たんの和菓子店」(金沢文庫)のはるばる通いたくなる魅力とは?
実は1号店がある⁉ たんの和菓子店が誕生するまで
和菓子の伝統を守りながらも、新しいことにチャレンジを続けるお二人。実は「たんの和菓子店」が生まれる前に、営んでいた和菓子店があるんです。ひかりさん「元々、ここからほど近いところに『さかくら』という和菓子屋がありました。しかし、高齢のために暖簾を畳むという話を聞いて。ご夫婦に話をしたところ、和菓子の製造に使用される機械も一緒に譲ってくれたんです」しかし、授かったものはお店や機械だけではないといいます。地元に即した商いの知恵も沢山教えてもらい、財と心、両面で恩恵を受けました。上生菓子を豊富に揃えるようになったのも、そんなご夫婦の知恵のおかげなのだとか。ひかりさん「特に上生菓子を作る時はこの本を参考にしています。日本語は自然に対する感性が高い。その美しさを、堅苦しさは省きつつ、日本の伝統菓子である和菓子を通して、しっかりと伝え続けたいと思っています」
アパレルや老舗カフェとのコラボも。新しい試みが広がっている!
耕太さん「この2年間で僕らのやっていることを面白がってくれる人が増えてきました。そんな方々と新しい挑戦をする機会も増えて、いま凄くワクワクしています。鎌倉の糀専門店『sawvi』とコラボ和菓子を作ったり、アパレルブランド『Haruhito Factory』をユニフォームとして採用したりとさまざま。新しい和菓子の在り方を、お客様も楽しんでくれて、とても嬉しいです」最近では、鎌倉の老舗カフェ「cafe vivement dimanche(ヴィヴモン ディモンシュ)」と和菓子に合うブレンドコーヒーを開発。見た目も味もこだわり抜いた味は、和菓子ならではのコクにぴったりです。コーヒーのお供として和菓子を楽しむスタイルは“伝統的な和菓子を身近に感じてもらうこと”を柱にした「たんの和菓子店」らしいアイディア。ビジュアルにもこだわった、オリジナルブレンドコーヒーに今から期待が膨らみます。
確かな技術に、新しい感性を加えて作る“ネオ・和菓子”の世界はまだまだ続く!
店内には世界各国の雑貨と共に和菓子の木型も。耕太さんの大切なコレクション。アメリカの黒人アーティスト、マーヴィンゲイのヒットアルバムや、スヌープ・ドッグの料理本などなど耕太さんが影響を受けたものとして、大量のレコードと書籍の数々を見せてくれました。耕太さん「和菓子も然り、何かを“創る“ときにはその源が大切。それが和菓子とは限りません。こうした音楽や書籍が僕にとっては栄養源。いま、どんなクリエーションがされているのか常に外の世界にアンテナを張っていたいんです」好きなものをとことん突き詰める丹野耕太さんと、笑顔を忘れずテキパキとこなす丹野ひかりさん。そんな二人が築き上げた「たんの和菓子店」には人を引き付ける魅力があります。確かな技術と新しい感性が融合してできる「たんの和菓子店」の味。これからますます盛り上がりを見せる“ネオ・和菓子”の原点を、皆さんも一度味わいに行ってはいかがでしょうか。 About Shop たんの和菓子店 神奈川県横浜市金沢区釜利谷東2丁目10-1 営業時間:10:00~17:00 定休日:月、火
ウフ。編集部 上野園果