"4度のオーバータイム"を戦い抜いた東京医療保健大、リーグ戦30点差で敗れた相手に最後まで 恩塚亨監督「選手に感謝と敬意」
終始リードを奪ってきたが、最後の最後であと一歩届かなかった。12月9日に国立代々木競技場第二体育館であった第76回全日本大学バスケットボール選手権(インカレ)の女子決勝。2年ぶりの優勝を狙った東京医療保健大学は4度のオーバータイム(延長戦)の末、白鷗大学に103-111で敗れた。ただ、10月下旬には30点差をつけられた相手に肉薄。恩塚亨監督は再就任からわずかの期間で、チームをここまで仕上げてきた。 【写真】オーバータイムでは恩塚監督もハドルに加わり、チームを盛り上げた
スタート5選手はファウルアウトや負傷で最後1人に
「まずは選手たちの最後まで戦い抜く気持ちの強さと努力に、心からの感謝と敬意を表したいと思います。最後の最後で勝利のところまで導けなかったのは、完全に私の導き不足なので、選手たちにはそう伝え、胸を張って帰ってほしいと思います」。大激闘の後、恩塚監督は報道陣の取材に、言葉を選びながら語った。 第1クオーター(Q)から絈野夏海(1年、岐阜女子)や五十嵐羽琉(2年、山形中央)の3ポイントが決まり、主導権を握った。第3Qを終えた時点で、58-41と17点のリードを築いた。ここから前年女王の白鷗大が怒濤(どとう)の追い上げを見せる。いずれも4年生のオコンクウォ・スーザン・アマカ(桜花学園)、佐藤多伽子(桜花学園)、高田栞里(小林)、舘山萌菜(札幌山の手)の4人で13連続得点を挙げ、東京医療保健大は一気に4点差まで縮められた。さらに絈野が左足を痛め、コートを離れることとなった。 それでもその後は、大脇晴(3年、慶進)のゴール下からの得点やフリースローで再びリード。しかし第4Q終了間際でマイボールからのパスを白鷗大のガード池田凜(2年、明星学園)にカットされ、同点に追いつかれた。恩塚監督は試合後「ターンオーバーから同点にされたところは、私自身が状況をもっとタフに設定して、トレーニングできるまで導ききれていなかった。私の責任だと思います」と振り返った。 5分間の延長戦では、両チームともファウルアウトとなる選手が出始めた。東京医療保健大では大脇とガードの島村きらら(4年、山形中央)、センターのイベ・エスター・チカンソ(4年、岐阜女子)が退場。絈野もケガのため、スタート5人でコートにいるのは門脇瑚羽(2年、北越)だけとなった。延長を重ねると、今大会を通じて初出場となる選手も起用。「ケガのことや水分補給のことも含めて、最後は出ている選手がちょっと気の毒だなという思いもあって、送り出しました」と恩塚監督。死力を尽くしたチームは、4度目の延長戦で力尽きた。