食後に突然襲われる便意はナゼ? 女性医師でも相談しにくかった「過敏性腸症候群」
胆汁は胆管を通じて十二指腸に流れ込み、脂肪の消化酵素であるリパーゼの働きを助けます。そのため、胆汁は脂肪の消化吸収には欠かせません。また、胆汁の主成分である胆汁酸は、「体内下剤」とも呼ばれていて、大腸の運動を刺激して腸液の分泌量を増やす作用も持っています。 しかし、大腸に到達する胆汁の量が多い場合や、胆汁に対する大腸の感受性が高い場合、大腸の運動はより活発になり、腸液の分泌量はさらに増加してしまいます。その結果、食後すぐに便意を感じ、下痢が生じてしまうというメカニズムのようです。 ■原因となっている食べ物を控える 食事をするとすぐに便意が出現し下痢になるという点で、私の症状は「胆汁性下痢型IBS」に一致しています。週1回の頻度で、もう2年ほど続いていることから、症状の頻度や経過期間も当てはまっています。脂身のあるビーフや鶏などの肉料理をとった直後に頻繁に生じることから、きっとそれが原因となっている可能性が高そうです。 特定の食べ物が原因となっている可能性がある場合、原因となっている食べものの摂取を控えることが、IBSの治療法[※3] となります。また、量の多い食事を少ない回数食べるのではなく、1回の量を少なくして食事の回数を多くすると、状態がよくなることが多いようです。 私も、脂肪分の多い肉料理が原因になっている可能性を考え、食べ過ぎないこと、そして脂身はなるべく取り除くことを意識して実行しました。すると、食後に下痢をきたす頻度が減少したことから、それが治療法として効果があったのだと実感したのです。 症状が落ち着いた頃、別件で家庭医を受診する機会を得たので、自分のこれまでの便に関する症状も報告することにしました。すると、「また頻度が増える、症状がひどくなる、なんてことがあれば相談するように。」と念をおされてしまいました。幸い、今は月に1回あるかないかの頻度まで改善しています。年末年始は、食べ過ぎや脂分のとり過ぎに十分注意して、来年を迎えたいと思っています。皆様も、良いお年を迎えください。 【参照URL】 [※1]https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/03-%E6%B6%88%E5%8C%96%E5%99%A8%E7%B3%BB%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E9%81%8E%E6%95%8F%E6%80%A7%E8%85%B8%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%EF%BC%88ibs%EF%BC%89/%E9%81%8E%E6%95%8F%E6%80%A7%E8%85%B8%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%EF%BC%88ibs%EF%BC%89 [※2]https://www.kagoshima-naishikyo.com/ibs/ [※3]https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/03-%E6%B6%88%E5%8C%96%E5%99%A8%E7%B3%BB%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E9%81%8E%E6%95%8F%E6%80%A7%E8%85%B8%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%EF%BC%88ibs%EF%BC%89/%E9%81%8E%E6%95%8F%E6%80%A7%E8%85%B8%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%EF%BC%88ibs%EF%BC%89#%E8%A8%BA%E6%96%AD_v756686_ja
山本佳奈