食後に突然襲われる便意はナゼ? 女性医師でも相談しにくかった「過敏性腸症候群」
ストレスというストレスは自分の中では感じなくなり、新しい環境にもすっかり慣れたにも関わらず、症状が続いているのはなぜなのか。不思議に思った私は、原因を調べてみることに。すると、過敏性腸症候群(IBS)の一種である「胆汁性下痢型過敏性腸症候群」が原因である可能性が高いということにたどり着いたのです。 過敏性腸症候群[※1] という疾患は、聞いたことがあるという方も多いと思います。下腹部痛や腹部膨満感、下痢や便秘、または下痢や便秘を交互に繰り返すという排便異常の症状が、週に平均1回以上、3カ月以上にわたって症状が継続しているにも関わらず、腸自体には症状の原因となる明らかな異常が見つからない疾患です。 過敏性腸症候群は、過去3カ月間に少なくとも週1回の頻度で繰り返す腹痛がみられ、・排便に関連して症状が出現する・症状が排便頻度の変化に関連して出現する・便の形状(外観)の変化を伴う、といずれか2項目以上の特徴を満たす場合に診断されます。 過敏性腸症候群を引き起こす原因として、様々な物質や感情的要素(ストレスや不安など)が引き金となっていると考えられているものの、はっきりとは解明されていません。高カロリー食や高脂肪症、腸の運動機能や知覚機能を調整する神経制御の異常、腸内細菌叢の異常などが関与している可能性も指摘されています。 ■症状で4つに分類される 過敏性腸症候群は、症状に基づき、下痢型・便秘型・混合型・分類不能型(下痢型、便秘型、混合型のいずれも満たさない場合)の4つに分類されることが一般的です。私の場合、泥状の軟便のみ認めていることから「下痢型」過敏性腸症候群が当てはまります。 一方、症状ではなく原因に[※2] 基づいて分類されることもあるようです。強いストレスや不安により引き起こされる「腸管運動異常型(ストレス型)IBS」、大腸の形状が原因となって引き起こされる「腸管形状異常型IBS」、そして胆のうから分泌される胆汁という消化液が原因で、食後に下痢を引き起こす「胆汁性下痢型IBS」と原因によって大別することも、対策を考えていく上で有用だとされているのです。 その中の「胆汁性下痢型IBS」とは、肝臓で作られ、胆嚢から分泌される胆汁という消化液が原因となることで、食後に下痢を引き起こす過敏性腸症候群の一つです。