きのこの種類はさまざま…どれを食べればいい? 7種類のきのこを栄養比較【栄養士ライター解説】
まだまだある!栄養ポイント
ほかにも、きのこ類には食物繊維の一種であるβ(ベータ)-グルカンが多く含まれ、腸内環境を整え、免疫細胞を活性化させる働きなどが注目されています。また、イライラを抑えてリラックスを促すGABA(ギャバ)、うま味成分であるグアニル酸や甘みのもとにもなるトレハロースを含んでいるなどの特徴も。 最後に、7種類のきのこの中で特徴的な成分を持つものをご紹介します。 ●しいたけ・マッシュルームの「エリタデニン」 しいたけから発見された成分で、特にしいたけの含有量が多め。血中コレステロールを抑え、血流を良くして血圧を下げるなどの機能性が注目されています。水溶性の成分で乾燥しいたけ(干ししいたけ)の戻し汁にも含まれます。 ●まいたけの「プロテアーゼ」 プロテアーゼはたんぱく質分解酵素で、お肉や魚と組み合わせると身を柔らかくしたり、うま味が増すなどの相乗効果が期待できます。茶碗蒸しに入れると酵素の働きで卵がうまく固まらずドロっとした仕上がりになるのでご注意を。 ●まつたけの「香り成分」 まつたけの代名詞とも言える芳香の主成分は、マツタケオール(1-オクテン-3-オール)とケイ皮酸メチル。食欲アップや消化酵素の分泌を促す働きもあります。 ※参考文献:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版』、『日本人の食事摂取基準(2020年版)』、奥嶋佐知子監修『食品の栄養とカロリー事典 第3版』女子栄養出版部,2022、杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学-食品成分と機能性- 第2版』東京化学同人、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、上西一弘ほか監修『健やかな毎日のための栄養大全』NHK出版,2022、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009
野村ゆき