インパクトある進化を見せた、最上級の4ドア・グランドツアラー

　英国ロールス・ロイスは2024年10月8日、「ゴースト」シリーズIIを発表しました。 【画像】若い富裕層に大人気！ ロールス・ロイス「ゴースト」シリーズIIを見る（31枚）

欧州で発表されたロールス・ロイス改良新型「ゴースト シリーズII」

　ゴーストは、ロールス・ロイスとしてはエントリーモデルのサルーンにあたります。 　初代は2009年に発表され、同社のフラッグシップであるファントムより若く、親しみやすいイメージのモデルとして登場し、新たな顧客層を獲得しました。 　従来型は2020年に発表された2代目にあたります。ゴーストは初代から「ビスポーク」でオーダーメイドするオーナーが多く、クルマの購入価格の平均10％をビスポークに投資しているそうです。 　さらに従来型のゴーストは、エンジニアが10年をかけて完成したサスペンションシステムによって、今までのクルマでは得られなかった「魔法のじゅうたん」のような乗り心地を生み出しました。 　6.75リッターのV12ツインターボ ガソリンエンジンに4WDと4WS（四輪操舵）を備えたゴーストは、ロールス・ロイス車の中では最もダイナミックでドライバーオリエンテッドなモデルであり、完璧なツーリングマシンでもありました。 　実際、ゴーストはサルーンではなく、最上級の4ドア・グランドツアラーと表現されることがよくあります。 　シリーズIIとなったゴーストは、基本デザインはそのままにインパクトのある進化を見せています。 　ヘッドランプとデイタイムランニングランプのグラフィックは変更され、フロントエンド下部はパルテノングリルのベースと一体化しています。 　マスコットの「スピリットofエクスタシー」はグリルから離れて「浮いて見える」クロームの台座の上に立っています。 　リアビューでは新しいテールランプがリアとサイドを調和させています。これは電気自動車のスペクターとイメージを似せています。2つの縦型ライトパネルに湾曲したクロームのエレメントを挟み、そこには二重の「R」モノブラムが刻まれています。 　ボディカラーは既成の色で4万4000色以上、さらにビスポークで自分だけの色も選べます。 　デザイナーは「マスティック ブルー」と呼ばれるカリブ海の島の色や魅力を表現した、ガラスとマイカを使用した新しいボディカラーも考案しました。 　このボディカラーは、1929年のファントムII コンチネンタルのプロトタイプを参考にしています。 インテリアは、アナログとデジタル、両方のクラフツマンシップの賜物です。先日、日本でも発表された「カリナン シリーズII」と同様のピラー to ピラーのガラスパネルを採用しています。 　そのセントラル インフォメーション ディスプレイには、最新の「スピリット」オペレーティングシステムが組み込まれています。 　これには、オーナー専用のプライベートメンバー用アプリケーションの「ウィスパーズ」も統合され、クルマに目的地を送信したり、位置の確認やドアロックをリモートでコントロールできます。 　助手席側のセントラル インフォメーション ディスプレイには、スピリットofエクスタシーのクロックキャビネットも備わっています。 　助手席の前には、従来型のゴーストにも採用されたイルミネーテッド フェシアが、星空のように輝いています。このモチーフはビスポークでオリジナルのものも作れます。 　リアシート前のスクリーンには最大2台のストリーミングデバイスを接続でき、それぞれのスクリーンで別のエンターテインメントを楽しめます。 　このスクリーンでマッサージやシートヒーター／クーラーの調整もでき、ブルートゥース ヘッドフォンとペアリングもできます。 　インテリアの素材には、木目の天然オープンボア材に金属粒子を加えた「グレー ステンド アッシュ」や、竹から作られたレーヨン生地「デュアリティ ツイル」を、またシートレザーに小さな孔を開けてアートワークを施す「プレースド パーフォレーション」なども採用されています。 最大トルクはアイドリングより600rpm上の1600rpmで発生するので、あらゆる速度域でスムーズに走る、ロールス・ロイス特有の「ワフタビリティ」を味わえます。 　定評あるプラナー サスペンションシステムは、連続可変の電子制御ダンパーやセルフレベリング機構のアッセンブリーと連動し、ロールス・ロイス特有の「マジックカーペット ライド」をさらに安定してもたらします。 　サスペンションとシャシのシステムは、カメラで前方の道路を読んで路面の変化に合わせてサスペンションを可変させるフラッグベアラー システムで強化されています。 　さらに、GPSデータを利用してカーブの曲率に応じた最適なギアを選択するサテライト エイデッド トランスミッションも搭載しています。 　なお、ゴースト シリーズIIにはリアドアと開口部を拡げてリアの室内長を170mm拡大したゴースト エクステンデッド シリーズIIも設定されています。 　ゴースト シリーズIIのアジリティやビスポークに加え、最上級の後席空間を求めるオーナーのために用意されました。 　こちらには、プライベートジェットのキャビンのようなリクライニング式セレニティシートや、シャンパンクーラーも選択可能です。 　ですが、ゴースト エクステンデッドを選ぶオーナーは、運転手を雇うことはせず、後席空間を拡張したモデルながら自分で運転する人が多いそうです。