エコノミストが解説 英国民投票結果と判明時刻予想 そして市場はどう動く?
英国の欧州連合EU離脱「Brexit(ブレキジット)」の是非を問う国民投票が始まりました。投票日のかなり前から注目を集めていたイベントですが、結果判明を受けて、為替市場、株式市場がどう反応するのか、より一層注目が高まっています。 英国EU離脱国民投票で金融市場波乱も FX取扱各社が注意を呼びかけ 投票結果の直前予想と結果判明(速報・確報)の時刻、そして結果を受けて市場がどう動くかについて、第一生命経済研究所のエコノミスト・藤代宏一さんが解説します。
投票結果の直前予想
23日(日本時間)までに入手可能な世論調査などから判断すると「残留」がわずかに優勢です。しかしながら、先週は「離脱」が優勢となる場面があるなど、両者は拮抗しており、かつ、その動きは不安定です。今週は、残留支持派の女性議員が極右思想を持つとみなされている男に殺害されたことが一因となって残留派が巻き返しましたが、それが決定打になったかはわかりません。 当日の天候は、地域・時間帯によって降雨が予想されていますが、外出を阻むような荒天ではありません。一般論として、EU離脱派は今回の投票に対する意気込みが強いため、悪天候でも投票所に向かうとされている一方、残留派の中には関心の薄い人も相当数存在するため、悪天候だとそれらの人が投票所に行くのを断念する可能性があります。投票率が低いと離脱派に有利とされていますが、天候要因は考慮しなくてよさそうです。
国民投票の結果判明時刻は?
票の締め切りは日本時間24日午前6時(以下、全て日本時間)。結果判明は日本時間午後4時頃となる見込みですが、選挙管理委員会は、精査が終わった集計所から随時結果を公表するため、午前8時頃から速報が届く予定です。その後、午前11時で40%程度、正午で75%程度が判明する見込みです。ただし、始めの方に発表される予定の集計所は残留優勢の地区で、離脱優勢の地区の発表見込み時刻は遅めです。そのため初期段階では残留が優勢になり、その後、離脱派が巻き返す展開となりそうです。ニュースの確認時には注意が必要です。 なお、ロイター通信によると、世論調査会社ユーガブ(YouGov)が、午前6時までに投票を済ませた人を対象にした調査の結果をスカイニュースが公表するとのことです。同社は2014年のスコットランド独立住民投票の際にも同様の調査を行い、ほぼ正確に結果を予想した実績があります。それゆえ、市場参加者の注目を浴びそうです。今回はマスコミ各社による出口調査が行われないため、ヘッジファンドなど一部投資家が独自に出口調査を実施するという噂もあり、日本時間早朝から金融市場は神経質な展開となりそうです。