金井宇宙飛行士がJAXAで会見(全文4)ミッション期間中の実験などについて
今年12月から半年間、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する予定の金井宣茂(かない・のりしげ)宇宙飛行士が24日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の東京事務所で会見した。 会見は3部構成で、金井飛行士の会見の後、ミッションで行う実験やISSの日本実験棟「きぼう」運用管制についての説明も行われた。
■尾藤、松本インクリメントマネージャから説明
司会:はい。では次に、金井宇宙飛行士のミッション期間中に実施される実験等について、担当する尾藤および松本インクリメントマネージャより紹介をさせていただきます。 尾藤:インクリメント53/54担当マネージャの尾藤日出夫と申します。金井宇宙飛行士長期滞在の前半部分の運用利用の設定を担当させていただきます。まず、よろしくお願いいたします。 松本:続きます。インクリメント55/56のマネージャを務めさせていただきます、松本でございます。私はもともとずっと宇宙実験、特に物理系の実験の担当をしておりまして、このインクリメントからインクリメントマネージャということで、もう少し幅広いところを見ていくことになりました。よろしくお願いいたします。 司会:はい。ではご説明をお願いいたします。
「インクリメント」とは?
尾藤:それではスライドに沿って、インクリメント54/55、金井宇宙飛行士の滞在期間中の利用の概要について、ご説明させていただきたいと思います。まず最初に私のほうから、インクリメントマネージャの仕事、役割について簡単にご説明したいと思います。 「インクリメント」という言葉なんですが、普通に辞書を引きますと、増分とかいう言葉、増分とかいう意味で出ておりますが、国際宇宙ステーションの世界でインクリメントというのは、宇宙ステーションの運用、利用期間の単位を示してございます。今から17年前でございますが、2000年の10月末、11月初めごろに初めて国際宇宙ステーションに人が乗り込みまして、長期滞在を開始しました。そのとき以来、搭乗員が交代するたびに数を増やしていきまして、現在、次の金井宇宙飛行士が長期滞在を開始するのは53回目の交代ということで、54次、それから次のインクリメント55次という2つのインクリメントを金井宇宙飛行士が滞在するという計画になってございます。 こちらのほうの図で示してございますが、インクリメント53/54、54が金井宇宙飛行士、軌道上に滞在計画でございますが、私が「きぼう」の運用と利用の計画の設定の担当をしていまして、後半の55と、それからそのあとの56の2つのインクリメントに関しては、隣にいます松本が担当することになっています。