糖度高くもっちり 市田柿の出荷始まる JAみなみ信州【長野県飯田下伊那】
JAみなみ信州は25日、長野県飯田下伊那地域特産の干し柿「市田柿」の出荷を始めた。10月後半の降雨で温湿度管理が難しかったものの、11月以降は気候が平年並みに。糖度も高く、もっちりした仕上がりとなった。来年2月末まで、昨年比3%増の計1134トンの出荷を見込んでおり、国内外へ届ける。 この日は、豊丘村河野のJA農産物総合集荷販売センターに飯田市と松川町、高森町、豊丘村、喬木村、上伊那地域から約1・1トンが集まり、職員15人が作業にあたった。粉の量やシワの深さなどを見て3階級に格付けし、賞味期限や、異物が入っていないかを一つ一つ検品していった。東京、横浜、名古屋、大阪に出荷した。 収穫は10月23日ごろ、加工は24日ごろからスタートした。梅雨入りの遅れによる降水量減少と梅雨明け以降の猛暑・干ばつ傾向が影響して生理落果が長期化。平年と比較して収穫玉数は平年並み~やや少なくなった。一方で9月中旬以降の温暖な気候によって一気に肥大し、極端な大玉傾向に。同時期の昼夜の気温差が小さく、果実の着果が大きく遅れた反面、果肉硬度は平年並みとなり、収穫は平年よりやや早い収穫開始となった。収穫や加工中のロスが発生しているものの、大玉傾向と原料柿が潤沢に確保できていることから出荷量は昨年を上回る見込みとなっている。 同JA営農部販売課の伊藤謙三さん(40)は「大玉で糖度も高いもっちりとした柿を楽しんでいただきたい」と話していた。 出荷ピークは12月下旬~1月上旬ごろ。2016年度に始めた海外輸出にも力を入れる。台湾を中心に、香港、シンガポール、ベトナムなどへ計110トンを送る。