タイミーではキャリアを築けない? 27歳社長が打ち壊す「たかがバイト」の常識
生産性アップの鍵は「夢を語る大人」
10年というスパンで考えると、海外への進出も視野に入ってきます。 少子高齢化や人手不足は、日本だけの問題ではありません。課題先進国である日本でしっかりとサービスを展開して、そのナレッジを世界に展開していくのは無理なストーリーではないと思っていますし、日本のものづくりの強さを示すチャンスでもあります。 アメリカなのか、アジアなのか、どこから展開していくかを含め、これから検討していきます。 また、やりたいことを自ら発信するのはとても重要だと私は思っています。言わないことは実現できないし、発信することで仲間を巻き込み、先輩たちを巻き込み、業界を巻き込むことによって夢を実現する。私はこれを繰り返してきたつもりです。何歳になっても夢は掲げるべきですし、やりたいことは言うべきだと思うのです。 誰もが子どもの頃には「お花屋さんになりたい」「パイロットになりたい」と夢を掲げていたのに、大人になると今の仕事に忙殺されて夢を語らなくなってしまう。 でも、大人になってから夢を描くことの何が悪いのか。タイミーを使って飲食店で働いて、「そういえば昔、自分の店を持ちたいと思ったことがあったよな」と、もう一度夢を追う気持ちが湧いてくる人がいてもいい。 もちろん、副業を経験して、「やっぱり自分は今の仕事が好きなんだなあ」という結論になってもいいのです。「働く」を見つめ直すことによって、仕事に対する熱意を取り戻す人が増えたら嬉しいです。 一般に生産性向上とは機械化、自動化、合理化のことだと思われていますよね。私は「それは違う、生産性向上とはワクワクすることだ」と考えています。 働く人が仕事に熱意を持ち、ひたむきに楽しみながら全力で頑張ること。それを可能にするための環境が用意されること。これによって日本の生産性は上がっていくと考えています。 実は、先人たちがつくってきた日本は、そういう国だったのではないでしょうか。「勤労感謝」という言葉があるように、働くことは苦痛ではない。仕事に熱中していたら、気がつくと高度な技術が身についている。だから日本の職人文化は強いし、日本のものづくりは評価されるのです。 「働くってなんだっけ?」ということを再定義する必要がある。そんな転換点をリードする会社として、10年後も成長を続けていられたらと思います。