今中慎二が振り返る中日のピッチャー陣 髙橋宏斗以外が勝てなかった理由を分析した
今中慎二が語る「中日の現在と今後」前編 ピッチャー陣について 今年、3年連続となるセ・リーグ最下位に沈んだ中日。チーム得点もリーグ最下位の373得点と打線の援護が少なかったとはいえ、期待されたピッチャー陣でふた桁勝利を挙げたのは髙橋宏斗のみと精彩を欠いた。今年の春季キャンプで11年ぶりに古巣を指導するなど、かつて中日のエースとして活躍した今中慎二氏に、ピッチャー陣について振り返ってもらった。 【写真】実力派の野球美女たち。私服・ユニフォーム姿の厳選カット集(19枚) 【甲子園未勝利など、低調に終わった先発陣】 ――今中さんは以前、中日は球威のあるピッチャーが多いため「ゾーンで勝負するべき」と言われていましたが、その点についてはいかがですか? 今中慎二(以下:今中) できている部分も多かった一方、できなくなった部分も見受けられましたが、全体的には「ちょっとできるようになったのかな」という印象です。 ――ピッチャー陣の四球の多さも指摘されていましたが、今季は昨季より少なくなったとはいえ、まだ少し多い印象です(昨季445個、今季384個)。 今中 春先に首位に立った時は、異常なくらいフォアボールを出しませんでしたね。ただ、その後に打たれ出したら増えていった。ひとりのピッチャーが出し始めると、他のピッチャーたちにも連鎖反応みたいなものがあるんです。ただ、頑張っていたほうなんじゃないですか。 ――フォアボールが増えるのは精神的な部分、技術的な部分、どちらの問題ですか? 今中 みんな能力はあるので、やはり精神的な部分でしょうね。「打たれたくない」と思えばボールになるし、「打たれるわけがない」と思えばど真ん中でもどんどん投げられる。かわしにいくほど、悪い方向にいくようなところはありますね。 特に今年は、甲子園での阪神戦が散々だった(0勝10敗1分け)。そこだけでも解消していればチーム成績も変わるのですが、甲子園に行くと雰囲気に呑まれてしまうというか......。たまにしかやらない球場ならまだしも、試合は毎年やるわけなので、克服しないといけません。チーム防御率も、甲子園では異常なほど高いですよ(6.04)。 ――甲子園に苦手意識があるのでしょうか? 今中 阪神のバッターが甲子園での試合だと何か変わる、ということもあるかもしれませんが、過去にはマツダスタジアム(広島の本拠地)でも同じようなことがありましたけどね。中日に限らず各チームは苦手な球場があるんでしょうけど、ひとつも勝てなかったのは響きましたね。