今中慎二が振り返る中日のピッチャー陣 髙橋宏斗以外が勝てなかった理由を分析した
【柳、小笠原などの課題】 ―― 一方、髙橋投手以外の先発ピッチャーが軒並み勝てませんでした。 今中 最下位に沈んだ要因のひとつですね。特に初回の失点が多かった。出だしの失点は、試合の流れを相手に渡してしまうことになります。試合の中盤、後半まで劣勢が続くと、どんどん苦しくなりますから。近年は中盤以降にいいピッチャーが出てくるチームが増えてきましたし、そう簡単に点を取れないので。 ――開幕投手を任され、いいスタートを切った柳裕也投手も勝ち星が伸びませんでした(4勝5敗、防御率3.76)。 今中 昨季一度しかやらなかった「中5日」で登板した(4月18日の)ヤクルト戦で打ち込まれましたよね(4回途中6失点)。それまでの試合では安定していましたが、中5日が影響したのか......。それと、結局は坂本勇人の一発に沈んだな、とも思うんです。(4月25日の巨人戦)東京ドームでいいピッチングをしていて、チームも2-0とリードしていたのですが、坂本に逆転の3ランを打たれた。あそこから狂いが生じてしまったのかなと。 その時は、(キャッチャーのサインに)首を振ってインコースに真っすぐを投げたんです。自信を持って投げたボールをとらえられてしまって、それ以前も兆候はあったものの、以降にフォアボールが増えました。柳の場合はコーナーを狙いすぎるピッチャーなので、坂本に打たれてから歯車がかみ合わなくなったなと思います。 ――小笠原慎之介投手もなかなか勝てませんでした(5勝11敗、防御率3.12)。 今中 小笠原に関しては、特に初回の失点の多さが気になりました。春先は打線の援護がなくてかわいそうな部分もありましたが、初回の失点が何試合か続くと「またか......」となるので、改善しなければいけません。 負けが11個もつくのは当然よくないです。勝ち星は打線の絡みもあるから理解できますが、負けがつくということは先に点取られているということ。それをひっくり返すことができずに負けてしまう試合が多かった。 小笠原は昨季も10敗以上していますよね(昨季は7勝12敗)。4年連続で規定投球回を達成している点は頑張っていると思いますが、今の中日は"勝てるピッチャー"が必要なんです。宏斗と、もうひとりいるだけで全然違ってくると思うのですが......。