乳房全摘のあと…乳がんになった篠崎愛マネージャーが涙したプロバスケ選手からの「言葉」
しつこくまとわりつく見事なディフェンス
相手エースの外国人選手に対し、フロントコートからしつこくまとわりつく見事なディフェンスを見せていた。突き飛ばされながらもボールを奪取する。果敢にリバウンドへ飛び込む。コートの端から端までチームのために走り回った。 (彼はどんなにきついだろう。苦しいだろうか) バスケットに真剣に取り組んだことがあるだけに、内尾のハアハアと吐く息や心臓の脈打つ音が迫ってくる気さえした。 (いやいや、こんなこと、なかなかできないって!) 立ち上がって拍手した。はらはらと涙を流していることに気づいた。 (聡理くんはどれだけの努力を重ねてここにいるんだろう。私もここから立ち上がる!生まれ変わる気持ちでもう一度頑張ろう!) 体中に得体のしれないパワーがみなぎるのを感じた。 後で、千葉のリーダー富樫勇樹が内尾についてコメントした記事にもこころを打たれた。 「あれだけのしつこさでディフェンスができる選手は、このリーグにもそうはいません。この3日間、彼のディフェンスが、千葉ジェッツをセミファイナルに連れていったと言っても過言ではないくらいです」
聡理君のバスケに魅了され立ち上がれた
五間岩はその後、知人に名古屋に移籍した内尾の代理人のコアスポーツマネージメントの西川勇仁太代表につないでもらい、自分の思いを伝えた。 「私は聡理君のプレーに魅了されて、元気とパワーをいただきました!なので、彼に恩返ししたい気持ちと、世の中の悩みを抱えている人達にもそのプレーと存在を見て知って、元気になって人生を楽しんで欲しい思いがあります」 乳がんサバイバーであることは重過ぎるかも知れない。そう考え隠した。すると、西川勇仁太代表から「そう言っていただけて本当に嬉しく思います。選手のプレーや行動が、何人かの人の心を動かし、その人たちの元気の糧になることはできると思っています」と返してもらった。泣けた。2024-25シーズン前に直接会う機会も作ってもらった。思った通りの好青年だった。 その後、内尾本人にサバイバーであることもLINEで打ち明けた。対面や電話では泣いてしまうと思ったからだ。すぐさま返事が来た。そこには「まず、このような大切な話しを共有してくださり、本当にありがとうございます。僕がプレーすることで、少しでも生きる希望を見出していただけたことは、僕にとっても励みになります。」で始まる誠意溢れる言葉が並んだ。主治医から10年お酒を止められているので、聡理と美味しいワインを飲めないのが残念だと書いた。 「お酒を飲めるようになる日まで、バスケを続けられるよう頑張ります!」 五間岩はまた泣いた。彼女は今日も、スポーツの力と人の愛で生かされている。 ◇では、そんな五間岩さんを身近に見ている人はどのようなことを感じたのだろうか。10月15日には篠崎愛さんのインタビューを公開する。
現代ビジネス