乳房全摘のあと…乳がんになった篠崎愛マネージャーが涙したプロバスケ選手からの「言葉」
治療を頑張り続ける「後押し」の存在
主治医の「喝」は、五間岩にとって力強い応援歌になった。13回もの抗がん剤の副作用に苦しんだ。何度も抗がん剤を投与している影響から血管が細くなり、針がうまく入らず何度も刺したことも。だが、がん研は血管への点滴注射から皮下注射による方法をいち早く取り入れることになり、太ももに針を刺すだけの皮下投与に変わったため、5分で投与が完了した。どこまでもラッキーだった。 下痢が続くなか体調が悪いことを隠して仕事を続けていたら、衣装を忘れたままロケに行くなどかつてないミスを犯すこともあった。打ち合わせの会食帰りに、激しい下痢に襲われ下着を捨てたこともあった。目が見えづらくなり日中に間違えて睡眠導入剤を飲んでしまうこともあった。爪がボロボロになり生えてこない……鼻毛がなくなり鼻水が止まらない……予想だにしない苦悩の連続だったが、歩みは止めないと決めていた。タレントたちのマネージメントを休まないこと、彼女たちの成長が、こころの支えでもあった。 加えて、自分がサポートしているタレント以外で、その成長を支えにしている「推し」がいた。その男の名前は「内尾聡理」。23歳、184センチ。現在Bリーグのファイティングイーグルス名古屋に所属するプロバスケットボール選手である。 実は五間岩は中学時代までバスケットをしていた。全国大会の常連で強豪校として知られる複数の高校への推薦の話しもあったものの、その身長では無理だと父親に大反対されあきらめた過去がある。その後もバスケットファンとして折に触れ高校や大学、Bリーグを観戦。現在NBA挑戦中の河村勇輝の福岡第一高校時代の同級生である内尾に高校時代から注目していた。彼らが3連覇したウインターカップ決勝で、敗れた福岡大学付属大濠高校の片峰コーチが「内尾の存在が福岡第一の強さ」と語ったインタビュー記事を読み小躍りして喜んだという。 乳がん闘病中、大学在学中ながら千葉ジェッツに加入した内尾を陰ながら応援し続けた。2024年5月。B1チャンピオンシップの千葉ジェッツ対宇都宮ブレックス戦は、抗がん剤を投与した夜だったため、部屋のソファーに横たわったまま観た。副作用で全身がだるく眠気が迫るなか、うっすら眼を開けた五間岩はあまりの衝撃にソファーから跳び起きた。