【西武】中村剛也が契約更改の直前に人知れず行っていた3つの「おかわり流」来季プロ24年目
西武中村剛也内野手(41)が5日、プロ野球選手として23度目の契約更改を終えた。 【似てる?】中村剛也の長男、中村勇斗が「神宮1号」 今季から約33%減の来季年俸1億円でサイン。コンディション不良もあり打率1割9分1厘、7本塁打、14打点と悔しい1年を終え、プロ24年目の雪辱へ動く。契約更改直前には、人知れず3つの“おかわり流”を完了。現役最多の通算478本塁打を誇る行雲流水の男が今、静かに燃えている。(金額は推定) ◇ ◇ ◇ 中村剛也はたじろがずに前を見る。苦しんだ今季。「あんまり振り返りたくない。振り返った方がいいですか? 振り返ると気持ちがちょっと痛くなる」。ナヨッとしたしぐさを添え、おかわり節は好調だ。 91敗でのパ最下位に「弱いなぁと思いました」。でも打開策は「そんな責任ある発言はできないっす」と声を張る。明るい未来は声じゃなく行動で作る。契約更改が始まる2時間前、隣接の室内練習場に来た。 「100球とか200球とか、普通に打ってる」。1年前の11月は「そろそろ夜な夜な散歩でも」と完全充電に徹した。今年はもう屋外でも打った。この日は青いウエアにオレンジ色のシューズ。室内でマシン打撃に励み、打球の8割が狙い通りに右へ飛んだ。 打ち終えたのが契約更改の1時間前。水を飲み干しても帰らない。「今のいいね~」と若手の渡部や奥村をほめながら、時に「あぁ~~」と甲高く、時に「うう~~」と低くうなってのダメ出し。自分が打つだけじゃない。公には言葉少なな41歳の、身ぶりも含めての野球教室が続く。時計の針はどんどん進む。 会見でプロ24年目の目標を問われた。「うーん、まだ考えてないっすね。考えないでいきます。目標とか考えたとしても、そんなプラスになることもないし、1日1日を生きていこうかなと思います。やる気があるのかないのかみたいな。ずっとこんな感じで長いことやらせてもらっています」。一方で「自信がなければ辞めていると思うんで」と万全な状態での活躍は明確にイメージする。 野球教室はけっこう長かった。契約更改の34分前、マシンの球が尽きたのが合図。打って教えて「じゃ、サイナラ。契約あるから」と、そそくさ退散。スーツに着替えて襟を正す。前日午後、この日に備えて散髪もした。もう23度目。去りゆく後輩たちもたくさん見てきた。プロ野球選手の契約更新の尊さを、誰よりも知っている。【金子真仁】 ○…西武の広池浩司球団副本部長(51)は中村剛について「体さえ万全であればまだまだやってくれる」と期待した。栗山との来季プロ24年目を迎えるコンビについて「あれだけのレジェンドなのでいつまでもやってほしい思いもありますし、それはファンの方々も一緒だと思います。一方で追い越す若手が出てほしいのも事実。両方求めていきたいと思います」と話した。