古河電工、30年度に光ファイバ・ケーブル事業の売上高倍増目指す
古河電工は2030年度までに光ファイバ・ケーブル事業の売上高について、23年度比2倍への拡大を目指す。北米・中南米を引き続き重点市場に位置付け建造物などに光回線を引き込むFTTx関連やデータセンター関連のビジネスを強化。戦略製品に位置付ける超多心・高密度光ケーブル拡販などで事業を成長させる。 昨年度は北米でのニーズ減退で苦戦したが今後需要は回復の見込み。上向く需要を製品構成を高付加価値化しながら捕捉して事業を成長させる。ウェブ形式で7日に開催した事業説明会で情報通信ソリューション統括部門長の太田寿彦執行役員常務が説明した。 高付加価値製品・ソリューションをFTTxやデータセンター向けなどの市場で拡販する方針。また米国政府による高速情報通信網の普及拡大策のBEAD(ブロードバンド・エクイティ・アクセス・アンド・デプロイメント・プログラム)への対応も進める。 FTTx関連市場では中南米で展開する顧客の通信ネットワーク構築を総合的に支援するソリューションビジネスを世界的に広げるとともに、高機能光ファイバを拡販。BEAD対応ではBABA(ビルド・アメリカ・バイ・アメリカ・アクト)に認定された優位性を生かす。 データセンター関連市場では、大規模データセンター向けで高密度化技術・低遅延技術により優位性を確立。加えてマルチテナントデータセンター向けではグローバル拡販体制の構築などで需要に対応する。データセンター向けの売上高は3倍に拡大させたい考えだ。 成長を中核的にけん引する超多芯・高密度なローラブルリボン光ケーブルは構造の抜本的見直しで細径ながら多くのファイバを搭載した製品。一度の敷設で光回線を多く増設可能なことなどが特長となっている。 太田常務は「前期は非常に厳しかったが、今期は後半から徐々に需要が回復する。25年度以降は本格的に回復する需要を確実に取り込み、持続的に事業を成長させていく」と話す。