「無所属」で代表招集の浅野拓磨が複雑胸中語る「欧州5大リーグに戻るのが目標。100%の取り組みが自分の未来につながる」
パルチザン退団を表明した時点で「すでに日本にいました」と明かした浅野は、さらにこんな言葉を続けている。 「最初は(三重県内の)実家の方にいて、2週間の自主待機をしながら、という難しい状況ではありましたけど、自分としては次へ向けてスタートしていました。今回の代表活動が待っていることもわかっていましたし、自主練という形にはなりましたけど、自分にできるだけの準備をずっとしてきました」 浅野は日本時間4月29日深夜に行われた、プロレテル・ノヴィ・サドとのリーグ戦で後半14分から途中出場。終了間際に今シーズン初のイエローカードをもらった一戦が、パルチザンの一員として出場した最後の公式戦となった。 5月2日には帰国していた浅野はプロレテル戦を終えてすぐに、パルチザンが本拠地を置くベオグラードを離れた計算になる。ヨーロッパ各国のシーズンが閉幕した先週末のリーグ戦後に順次帰国してきた、ミャンマー戦へ招集されているヨーロッパ組と比べて時差ぼけなどはすでに解消されている。 自主待機期間を終えてからは、今回の合宿地となる千葉県内へ移動。代表チームや日本サッカー協会のスタッフの力を借りながら自主練の負荷を上げ、メニューも増やしてきた過程で「コンディションの部分はそこまで問題はない」と言う。 「ただ、試合の感覚に近づけていく、という部分でどうしても難しさを感じています。チームとの契約解除があってからは公式戦に出ていないので、その意味では試合勘というものを取り戻していかなければいけない、と思っています。今日からみんなと一緒に練習できるので、自分のなかでもっともっと状態を上げていきたい」 自主待機期間中には日本代表の森保一監督が、自分に対して言及した記事を目にした。元チームメイトを含めたパルチザン関係者が浅野を激しく非難していた状況に、サンフレッチェ広島時代に3年半にわたって指導してくれた恩師が「拓磨は人やチームを裏切るような人間ではない」と擁護した内容に浅野は心を震わせた。 「すごく信頼している森保さんが、あのように言ってくれたことは本当に嬉しかったし、これからポジティブに頑張っていこう、と思えるきっかけのひとつになりました。こうして代表に呼んでもらえたことにも感謝していますし、だからこそいまは自分がやるべきことを全力で、100%で取り組んでいく。それが自分の未来につながると思っています」