<箱根駅伝>兄弟競演に親子挑戦……絆というドラマ
元チームメイト対決として熱戦になりそうなのが、服部勇馬(東洋大)と一色恭志(青学大)だ。ふたりは仙台育英(宮城)の先輩・後輩(一色は服部勇馬の弟・弾馬らと3年時に豊川へ転校した)で、東洋大と青学大は今大会の優勝候補。 ともに2区に登録されており、直接対決の結果次第では、総合優勝の針が大きく揺れることになる。前回の箱根も2区で対戦しており、服部が1時間7分32秒で区間賞を獲得して、3位からトップを奪った。一色は服部に抜かれたものの、1時間7分45秒の区間3位と好走。アオガク初優勝に大きく貢献した。 今季は全日本大学駅伝の1区で直接対決。ゴール前の大接戦を服部が制して、一色が同タイムの区間2位だった。2区服部弾馬で抜け出した東洋大が初優勝を飾ったこともあり、一色は「今までで1番悔しい駅伝になりました。箱根では勇馬さんに2区でリベンジしたい」と意気込んでいる。一方の服部勇馬は日本人で3人しか到達していない「1時間6分台」がターゲット。「それぐらいで走らないと、ライバル校とは差がつきませんから」と総合優勝のために、後輩から1秒でも多くのリードを削りとるつもりでいる。 ふたりは箱根後にも別の戦いを予定している。2月の東京マラソンだ。服部は「リオ五輪を本気で狙う」というアプローチで、夏合宿から40キロ走をこなすなど、準備を進めてきた。一色は本格的なマラソン練習をしていないが、どんなレースを見せるのか。“東京五輪の星”ともいえるふたりの走りは、東京マラソンを含めて目が離せない。 チームメイトという視点でいうと、山梨学院大の2年生トリオ(上田健太、市谷龍太郎、河村和樹)は固い絆で結ばれている。上田と市谷は中学時代から全国大会で競うライバル。山梨学大・上田誠仁監督の次男である健太の呼びかけをキッカケに、高校で「日本一」を目指すことになったからだ。上田が進学する山梨学大附に石川県出身の市谷、愛知県出身の河村らも入学。上田、市谷、河村、西山令、矢ノ倉弘の同学年5人を主軸としたチームは、全国高校駅伝での順位を24位、8位と上げると、最終学年で優勝を果たす。Vメンバーの3年生5人全員がそのまま山梨学大に進学。今度は「箱根駅伝の優勝」を目指す物語がスタートした。