【緊急事態】「119番通報」と「往診」 どちらを選ぶ? 医師が教える最適とは?
救急車を呼ぶ時の注意点など
編集部: 救急車にも消防救急(119番通報)と民間救急がありますが、どのような違いがあるのですか? 大城先生: 消防救急(119番通報)は緊急性が高い患者さんを病院へ搬送するための公的救急機関のこと。サイレンを鳴らして緊急走行することができるので、いち早く病院に到着することができます。 一方、民間救急は「緊急度は低いけれど、搬送を頼みたい」という場合に利用するサービス。たとえば「出張先で緊急入院したが、別の病院に転院したい」という時などに用いられます。これは民間サービスなので有料になります。 編集部: 救急車を呼ぶ時の注意点を教えてください。 大城先生: 急な病気や怪我をしたときなどに、救急車を呼んでいいのか迷う人もいるかもしれません。そのようなときには各自治体の救急相談窓口や救急受診アプリを活用するのがおすすめです。 特にアプリは病気や怪我の緊急度を素早く判定してくれるサービスで、緊急度が高いと判断された場合にはアプリから119番通報することができるので便利です。 編集部: なるほど、判断に迷うときはそのようにすれば良いのですね。 大城先生: 近年、救急車の出動件数や搬送人員数は増加しており、救急車が現場に到着するまでの時間も長くなっています。救急車は限られた医療資源であり、緊急性の高い人ができるだけ早く病院へ到着できるよう、救急車を呼ぶ前には緊急度を的確に判断する必要があります。 そのため普段から訪問診療を受けたり、かかりつけ医が緊急往診を行っていたりする場合には、医療機関のサービスを上手に活用することも大切です。 編集部: 医療が逼迫している、という話もよく聞かれます。 大城先生: コロナ禍ほどではありませんが、現在も救急車による救急搬送はパンクしている状態で、受け入れ先の病院も患者さんで溢れていることが少なくありません。 状態をしっかり見極め、かかりつけ医の先生に対応してもらえるなら、できるだけそちらを利用するようにしましょう。それがひいては地域の医療システムを守ることにもつながっていきます。