品川区内のグループホームに暮らす、知的障害のある人の投票を支援する取り組み
■投票日前日、とあるグループホームの風景 衆議院選挙投票日の前日、11月26日。 東京・品川区内にある、知的障害がある人が暮らすグループホーム「わいわいてい」では、入居者が期日前投票に行く準備が行われていました。 【写真を見る】品川区内のグループホームに暮らす、知的障害のある人の投票を支援する取り組み 「わいわいてい」の共有スペースであるリビングルームの机の上には、アクリル板に紙を貼って立てて三方を囲み、中に、立候補者の顔写真と名前、比例の政党名などを書いた紙が椅子の前に用意されていました。 これは、事前に自分が選んだ候補者をメモに書いておくためのものです。 候補者の数が多いと、投票所で、自分が選んだ名前を書き写しているうちに、どの名前かわからなくなり、書けなかったことがあるということで、こういう方法を使って投票する入居者がいます。 「わいわいてい」のスタッフが「きょうは衆議院選挙です。自分たちの生活を良くしてくれる人を選びます。選挙行きますか?」と一人ひとり、投票に行く意志を確認します。 そして、一人の入居者がアクリル板の囲いの中で、誰にも見えないように、選んだ候補者の名前を紙にメモしました。紙は半分に折り、封筒に入れて、投票所に持っていきます。 このあと、近くの期日前投票所に行き、封筒からメモを取りだして見ながら、自分で投票用紙に書いて、投票しました。 ■投票のサポートは、一人ひとりの障害の度合いや特性に配慮して 2013年までは、重い障害があって、後見人がついている人に選挙権はありませんでした。納得がいかない当事者と家族が訴え、最高裁の違憲判決が出て、投票できるようになったのです。 それ以後、「わいわいてい」の中では、投票のサポートについて、様々議論していたところに、2016年、「津久井やまゆり園」の事件が起きました。 「わいわいてい」を運営するNPO「もやい」の山崎幸子さんは、事件の犯人の「意思疎通ができない人は、要らない」という言葉から、障害者の意思の表現をどうサポートするか、より考えさせられたと言います。