品川区内のグループホームに暮らす、知的障害のある人の投票を支援する取り組み
NPO「もやい」の山崎幸子さん 「毎日のことで、自分自身の意思をきちんと持ってるはずなのに、その意思をまず表現する手立てが、私達は普段からできているかどうか。選挙も選んでいくことの一つで、選挙のサポートを考えていく中で、私達も選挙について、考えなくちゃいけなくなった。わかりやすい言葉で伝えるっていうことが一番大事で、でもそれは、私達もわかりやすく選挙を理解していくことに、つながっていきました」 「わいわいてい」で暮らす5人の入居者の障害の度合いや特性は様々です。 文字が書けない人は、投票所の職員に意思を伝え、代わりに書いてもらう「代理投票」という制度を使います。 一人の入居者は、選挙公報を利用した、スタッフ手作りの候補者一覧の紙を持って行き、それを、指でさして意思を伝えます。投票所の職員がそれを受けて、代わりに投票用紙に書きます。 品川区では、今回から、郵送される入場整理券と一緒に、「支援カード」が入っていました。何らかの投票のサポートが必要な人が記入するものですが、これまでは、投票所で渡されていました。「支援カード」が事前に郵送されることで、サポートしてほしいことをゆっくり考え、事前に書いておくことができるようになったのです。 この入居者が持っていくカードには「指をさして意思を伝える」以外に「ゆっくり説明してください」といったことも書いてありました。 「わいわいてい」のスタッフが期日前投票所まで付き添いますが、投票所の中には入れません。支援カードを投票所の職員に渡し、サポートを委ねます。 しっかり投票できたようで、終わった後、崎山記者が聞くと「選挙に行きました!」と力のこもった声で繰り返しました。 この他の「わいわいてい」の入居者3人も、それぞれがやりやすい状況の下、それぞれの方法で投票しました。 ただ、最高裁の裁判官の国民審査は、一人を選ぶのではなく、ふさわしくないと考えた人に×印をつけます。スタッフが、事前に制度の意味や方法を説明しましたが、投票とやり方が違うので、5人がうまく自分の意思を表せたかは難しかったかもしれません。