首から下が動かない大型の収容犬 殺処分寸前で保護 「助けてくれてありがとう」 立ち上がる姿に見守る皆が笑顔で涙
動かぬ頭と体のまま尻尾だけを振りお礼を言ってくれた
保護当初のたまおくんは確かに頭も体も全く動かず、精気のない表情を浮かべ、そのまま目をつむって旅立ってしまうような様子でもありました。また、ガリガリにやせ、体のあちこちには床ずれやイボのようなものがありました。 そんな状態でも優しいメンバーと、温かい部屋、そしてミルクやエサを前にして、たまおくんは動かない頭と体の状態で、尻尾だけをバタバタと振ってくれました。 たまおくんが精一杯「助けてくれてありがとうね」と言ってくれているように映り、目頭が熱くなるメンバーでした。
動物病院での検査中も嬉しそうな表情を浮かべたたまおくん
数日後、たまおくんの健康状態をさらに詳しく確認するため動物病院へと向かいました。 獣医師によれば、たまおくんが自力で立てないのは、脳などの異常ではなく頚椎(けいつい)の異常からくるものではないかという診断でした。この他にもいくつかの検査をしましたが、たまおくんは終始嫌がらず、むしろうれしそうな表情を浮かべています。 人間に触れてもらえることがただただうれしくてたまらない、といったその表情を前に「助けてあげられて本当に良かった」と改めて思うメンバーでした。 そして、「自力で歩けられないのなら、車椅子を用意しよう」「介助用のハーネスも欲しいな」とメンバーは話しあいました。 しかし、そんな最中、奇跡が起こりました。
「自力で立てるようにがんばってみるね!」
ケージの中で過ごしていたたまおくんが自力で一瞬立ち上がったのです。長時間は立っていられず、すぐにバタンと倒れ込むものの、たまおくんは何度も何度も自力で立ちあがろうとがんばりました。 その姿はまるで「みんなありがとう。僕も自力で立てるようにがんばってみるね!」と思ってのことのようにも映り、メンバーは目頭が熱くなるのでした。 そして「このまま栄養をいっぱいとってもらい、治療やリハビリを続けたら、たまおくんはもう一度自分の足で歩けるようになるかもしれない」とも思いました。 今日もたまおくんは「自力で立てるよう」に挑戦を続けています。そして、こんなに健気なたまおくんを前に、メンバーは「大丈夫。必ずたまおくんの『本当の家族』を見つけてあげるからね。一緒にがんばっていこうね」と約束を交わしました。 (まいどなニュース特約・松田 義人)
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