「もれなく富士山キャンペーン」で富士山にまつわる旅。1日目はカツオの藁焼きを体験して美の神を祀る神社を参拝(前編)
JR東海が「富士山×〇〇」をテーマに展開する「もれなく富士山キャンペーン」では、秋~冬の富士山を楽しめる旅行プランを「EX旅先予約」「EX 旅パック」で9月27日~2025年3月31日に展開。 【画像】「かつおと燻製の専門店 川直」 新幹線のチケットと富士山を楽しみながらの宿泊、温泉、グルメ、体験などがセットになったプランで、全38あるプランのなかから自分で好きに組み合わせて旅行の予約が可能。それぞれのプランに特典やノベルティが付属する。今回のプレスツアーでは同社厳選のプランを体験してきた。 プレスツアーは1泊2日で天気予報は晴天だが、富士山がキレイに見られるかは雲の状況次第とのことなので、記者の運が試されている。 ■ 「かつおと燻製の専門店 川直」で楽しむ大迫力の藁焼き体験 ツアーの最初に向かったのは、静岡駅からJR東海東海道本線で3駅(12分)の焼津駅駅から約1.7km、静岡駅からクルマで30分程度の「かつおと燻製の専門店 川直」(静岡県焼津市城之腰15)。創業明治10年の老舗だ。 マグロとカツオが有名な焼津港で水揚げされたカツオを藁焼きたたきにする体験プランで、料金は大人1人2300円~2800円。 お店に着いたらまずは冷凍カツオを職人さんに紹介していただいた。巻網と1本釣りで獲られたものの2種類があり、1本釣りのほうは口が開いているのが特徴だ。持ってみるとずっしりと重さを感じ、カチカチに凍っているためカゴにしまうとカツオ同士がぶつかって金属音のような音がする。 続いて、職人さんの説明がついた解体を見学。分担して手早く捌くために、頭を落とす専用の包丁、3枚おろし用、刺身包丁と3種類の包丁を使い分ける。手順を説明しながら職人さんがあっという間に見慣れたサクの形にしていく。このサクを早速藁焼きにする。 職人さんが藁に火をつけるとみるみる燃え上がり、そこに網に乗せたかつおを入れて焼く。藁の燃える香りとかつおの焼ける香りが合わさり、食欲をそそるよい香りだった。焼き加減は職人さんが横で見ており、引き上げるタイミングを教えてくれるので安心。焼いたあとはすぐに駿河湾の海洋深層水で作った氷水に浸けて締めて、旨みを閉じ込める。 その後、焼いたかつおは職人さんが切り分けてくれてタマネギとネギ、ピンクソルトを添えたお皿に盛り付けてくれる。藁焼きのほか、お店で作っているなまり節も試食できる。出来立てのかつおのたたきは市販のものよりも強く藁の香りが感じられるので貴重な体験だ。 体験後には地元焼津人がお勧めする富士山ビュースポットMAPももらえるので、持ち帰り用のかつおを近くのビュースポットで見ながら食べるのもよい思い出になりそうだ。 ■ 美の女神「コノハナサクヤヒメ」を祀る世界遺産富士山本宮浅間大社で願いを書いて特別な御朱印をゲット 次に向かったのは身延線富士宮駅から徒歩10分、浅間信仰(富士信仰)の各となる神社の富士山浅間大社(静岡県富士宮市宮町1-1)だ。富士山の神霊として考えられている浅間大神、つまり美の女神である「木花之佐久夜毘売命(コノハナサクヤヒメノミコト)」を祀っている。この神社を参拝して美に関することを願う体験プランで、料金は1800円。体験セットとして「願い用紙」「御朱印台紙」「御朱印ケース」「体験の手引き」が含まれる。 体験セットは富士宮駅前観光案内所で受け取り、願い用紙には美に関する願いを記入する。願い事は外見的な美に限らず、内面的なことでもOK。 願い事を書いた用紙は、水につけるとコノハナサクヤヒメからのメッセージイラストが浮かび上がる仕組み。富士山から湧き出る7か所の水のスポットにはそれぞれ良縁、上昇、実り、輝きなどの意味が込められている。 記者は粗忽者で何かを忘れたりトラブルで計画どおりに物事が進まなかったりとキレイに仕事できた試しがないため、どうにかしたくて神頼みすることにした。大分こじつけだが、すっきりと美しい仕事ができるようになりたいと願い、上昇のパワースポットだという「神田川ふれあい広場」で願い用紙を水につけた。浮かび上がったのは「応援」のメッセージ。神頼みもほどほどに、しっかり努力せよと見透かされているような結果だった。 願い用紙を湧き水に浮かべたあとは、いよいよ参拝。本宮の境内の広さは約1万7000坪あり、富士山8合目以上を奥宮境内地としているため、約120万坪もの広さがある。富士山本宮浅間大社は紀元前27年、富士山の噴火を納める神社として建てられたのが起源となっている。昔は社殿を持たずに場所を移動しながらお祀りをしていたが、806年に現在の場所に移動した。 本宮社殿は1604年に徳川家康が奉賽のために造営し、本殿・拝殿・舞殿・楼門などがあったが、寛永安政などの大地震で壊れたものがあり、現存しているのは本殿・幣殿・拝殿・楼門。本殿は2階建てのめずらしい造りで、浅間造りと呼ばれている。明治期に古社寺保存法により特別保護建造物に指定され、現在は国宝又は重要文化財として特別保護されている。 権禰宜の方のお話によると、美の神コノハナサクヤヒメと富士山の神様としての2つの側面の御神徳があるという。コノハナサクヤヒメとしては、安産、家内安全、健康など。富士山の神様としては、火伏、航海安全、登山安全などがある。 総本宮、御神祭などをお参りしたあと、初穂料500円を収めると参拝記念のオリジナルクリップ付き御朱印をいただける。御朱印はコノハナサクヤヒメが描かれた台紙と重ねると桜が咲いたようなデザインになる仕掛けで、本プランだけの特別仕様だ。 このあとは無人島、淡島にあるホテル「淡島ホテル」に移動して宿泊だが、ホテルは次の記事で紹介する。
トラベル Watch,編集部:二村 茜