【まとめ】絶対感動!ヒューマンドラマ映画37本!
悪女のトーニャ、好きになれる?『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
1994年、リレハンメル冬季オリンピックの直前、全世界を騒然とさせたニュースが流れた。フィギュアスケートのアメリカ代表選考を前に、有力選手が何者かにヒザを殴打される。その事件にライバル選手が関わっていた……というのだ。加害者側に立たされたのが、トーニャ・ハーディング選手。あの伊藤みどりに続いて、女子選手として2人めのトリプルアクセル成功者となった実力の持ち主である。事件の顛末とともに、彼女の人生に迫った本作は、観る者に強烈なインパクトを残す。 この作品、登場人物たちはことごとく“問題アリ”なのである。まずトーニャ・ハーディング本人。自分の得点に不満があれば、ジャッジにクレームをつける。フィギュア選手としてありえない行動もへっちゃら。それくらい自己主張が強い。その彼女を育てた母親は文字どおりの“鬼母”(演じたアリソン・ジャネイはアカデミー賞助演女優賞を受賞した)で、何度も別れてはヨリを戻す元夫は、すぐにキレてトーニャに暴力をふるう。その元夫の友人は、「諜報機関の仕事をしている」と平気で嘘をつく、絵に描いたようなダメ男。ライバル選手、ナンシー・ケリガンの襲撃は、元夫とこの友人が発端になるのだが、計画の無茶苦茶さは笑ってしまうほどだ。 そしてなにより驚かされるのは、トーニャ・ハーディングを演じたマーゴット・ロビーだ。もちろん氷上でのジャンプやスピンなどは映像処理されているが、トーニャの腕の動きや演技後の堂々とした表情を“完コピ”。フィギュアスケートファンも感動させる。マーゴットは映画『スーサイド・スクワッド』のハーレイ・クイン役でも強烈なキャラに愛らしさを絶妙にまぶしており、事件当時、“悪女”として世界を騒がせたトーニャ・ハーディングに、人間味を与えることに成功した。傲慢で、自分勝手で、気性が荒いという、近くにいてほしくない人物が、映画を観終わった後、ちょっぴり好きになっているはず!