【まとめ】絶対感動!ヒューマンドラマ映画37本!
粗野だけどチャーミングなトニーの男っぷりに惚れる!『グリーンブック』
このお話、簡単にいうとすべて真逆な男2人のロードムービーだ。ホワイトハウスでも演奏したことのある天才黒人ピアニストのドクター・シャーリー。育ちもよく上品で、博士の称号も持つ独身のインテリだ。そんな彼が差別の残る米南部のコンサートツアーに出発。その運転手に雇ったのが、イタリア系でとにかくケンカっ早いトニー・リップだ。やんちゃで悪さもするが、家族思いで人情深い。価値観も性格も、生き方もまるで違う2人が心を通わせる物語。 そう、本作で重要なのが“まるで違う”ということ。“まるで違う”からこそ、互いに反発と理解を繰り返し、友情を深めていくわけ。旅の中で繰り広げられる彼らの行動は、友情を築くよいお手本になるはず。そして、行く先々でのトラブルがいちいちユニーク。それに対するトニーの切り返し方が絶妙でなんとも痛快な気分に。粗野で強面のトニーが次第にチャーミングに思え、男ならこんな親友がほしいと願うはずだ。そこにドクターが演奏するピアノも重なるものだから、観ていて心地いいったらありゃしない! 2人を演じるヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリも完璧で、そのやりとりが最大限に発揮されるフライドチキンのシーンに、爆笑しない人はいないはず。マハーシャラ・アリは本作で2度めとなるアカデミー賞助演男優賞を獲得。脂の乗った彼の演技に魅了されるに違いない。監督は、あのシモネタ全開のオバカラブコメ『メリーに首ったけ』で知られるピーター・ファレリーなのだが、今回は暴走ギャグは控えめ。むしろ安定のコメディセンスで万人ウケ必至。人種差別をテーマにしつつ、ここまで軽やかな名作は過去にはなかったかも!? ちなみに本作は実話がベース。タイトルにある“グリーンブック”は、かつて米国で出版されていた黒人が利用可能な施設を記した旅行ガイドブックのことだ。
ブラピのイケメンの変遷が一気に観られる!『ベンジャミン・バトン 数奇な運命』
若い時代から、中年になった現在まで、それぞれの年代でカッコいい男のトップに君臨し続けたブラピ。その“変貌”を一気に再現してくれるのが、この作品だ。 主人公のベンジャミン・バトンは、生まれたときに80歳の肉体で、時間とともに若返っていくという、“逆行人生”を歩む。背景となるのは、第一次世界大戦の終わりからの激動の歴史。かなり壮大で突飛なシチュエーションだが、軸になるのはベンジャミンのラブストーリー。 監督は、ブラピの起用が今回で3度めとなる鬼才、デヴィッド・フィンチャー。新たなビジュアルへの挑戦が大好きな監督ということで、特殊メイクや、顔の演技をキャプチャーしたCGなど、最大限に駆使される特殊効果が見どころ。 戦争アクションから、恋人デイジーの踊るバレエといった幻想的シーンの数々、エモーショナルな人間ドラマ……。あらゆる映画のジャンルが詰め込まれたぜいたくな内容でもある。