カナダメディアが菅野智之と有原航平を「失敗した」ブ軍の山口俊と比較して出した評価とは?
菅野については、「数字的なものだけでも菅野は極めて素晴らしい。この右腕はキャリアを通じて防御率2.32を残し過去6シーズンのうち4度は防御率2.01よりも低かった。彼はサイヤング賞に匹敵する沢村賞を2度、2014年にはリーグMVPを勝ち取った」と、その戦績を紹介。次にシビアな視点を交えながら、こう評価した。 「ハードスライダーとスプリッターを持っているが、ストレートは89から92マイル(約143キロから約148キロ)で有原よりも印象は劣る。日本プロ野球で素晴らしい成績を残すが、速球には見映えはない。ただ彼の経歴とこれまでの成績に疑問を持つことは不可能だ。彼は並外れたコントロールと制球力を持ち、9イニングあたりの平均四球数で過去1度も2.1を上回っていないことにつなげている」 そして菅野に関しても山口との比較論を展開した。 「山口は米国に来る前には先発や抑えなど、いろんな役割を与えられたが、先発として防御率3を切ったのが2年(2019年と2016年)だけだった。だが、菅野は一貫して日本で支配的な先発投手として実力を発揮して防御率3以下が6度ある」 その上で「(メジャーリーグの)レベルの打者を一掃するようなこと(力強さ)はないが、彼はラインナップに対して、どのように投球し、彼の武器を扱うか明らかに理解している。メジャーにインパクトを残すには十分ではないかもしれないが、海外のFA選手の中で彼には信頼が置けるだろう」と、菅野のパワーには疑問を投げかけつつも投球術を称賛。最終的には「信頼のおけるFA選手」として位置づけた。 今季の山口は、抑えとしてデビュー戦から2試合続けて敗戦投手になるなどメジャーで結果を出すまでに時間がかかった。8月になってロングリリーバーとして存在感を示したが、ポストシーズンのロースターからは外れた。地元のカナダメディアが、その山口との比較論で、有原と菅野に期待を寄せるのも無理はないのかもしれない。