【乳がん治療の最新】再発の確率は?髪が抜ける抗がん剤治療を行うべき?遺伝子検査で予測可能に!【更年期女性の医療知識アップデート講座】
乳がん治療のオーダーメイド化がさらに進む
私の知人で、こんな女性がいる。乳がんで手術したJ子さん(50歳)は、術後の病理検査でがんの悪性度や大きさなどは、ある程度わかったが、術後の抗がん剤治療を行ったほうがいいかどうかを最後まで迷っていた。 それは、再発リスクが高いかどうかが、はっきりしなかったからだ。主治医からは「J子さんの場合は、私の家族でも抗がん剤をすすめるかどうか悩む」と言われたそうだ。そして、オンコタイプDXをすすめられ、検査を受けた。 結果、再発スコアがやや高めだったため、J子さんは、抗がん剤治療を併用することを決めた。術後6年たったが、再発せずにいる。 J子さんは、「保険適用になってよかった。自由診療だったら高額なので、検査するのをためらっていたと思います。検査で具体的な数値が出て、納得いく選択ができました。医師と相談しながら、私だけのオーダーメイド治療ができたと感じています」と話している。 【オンコタイプDXでわかる治療決定に必要な情報】 1.「がん再発リスクと抗がん剤の効果予測」 抗がん剤治療を受けた場合、再発がどの程度抑えられるかの予測が0から100に数値化される。一般的には、25以下の数値では再発の可能性が低く、抗がん剤を行っても再発や死亡リスク低下につながらないことがわかる。 2.「ホルモン療法だけを受けた場合の予後予測」 乳がんの手術後、標準的な5年間のホルモン療法だけを受けた場合にどの程度、再発(または死亡)のリスクがあるかを予測できる。 3.「抗がん剤の上乗せ効果」 標準的なホルモン療法に、抗がん剤を加えた場合、再発や死亡のリスクをどの程度抑えられるかの予測ができる。
取材・原文/増田美加 1962年生まれ。。約35年にわたり女性の医療、ヘルスケアを取材。自身が乳がんに罹患してからは、がん啓発活動を積極的に行う。著書に『医者に手抜きされて死なないための患者力』ほか。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員 イラスト/かくたりかこ