「iPhone 16」と「iPhone 16 Pro」のカメラを試す(前編) 新しいインタフェース「カメラコントロール」って便利なの?
「カメラコントロール」でチェックしたいポイント
そして注目のカメラコントロール。チェックしたいポイントが3つある。 1. 位置はシャッターボタンとしてどうなん? 2. いろんなことできそうだけど、使いやすいの? 3. カスタマイズできるん? 順番に確かめていこう。 ポイント1:位置はシャッターボタンとして押しやすい? カメラコントロールには、カメラをいろいろとコントロールする機能があるわけだが、もっとも使われるのは「シャッターボタン」として、だ。 本体を横位置に持ったとき、ここにシャッターボタンがあると押しやすそうである。 ただ、その位置に賛否両論ある。 例えば、ソニーの「Xperia 1」シリーズはずっと側面にシャッターボタンを持っているが、その位置はもうちょっと端っこだ。 どちらが正解か――それはスマホをどう持つかに大きく影響される。 カメラを使い慣れている人は、上の写真のように中指を背面に当てるように持ちがちだと思う。そして人差し指でシャッターを押すのだが、その場合はXperia 1シリーズの位置が正解。iPhone 16やiPhone 16 Proの位置だと、人差し指から遠い。 もう1つ、カメラを上下から挟むように持つ人もいる。こういう持ち方だと、iPhone 16やiPhone 16 Proのカメラコントロールはちょうどいい位置なのである。 昔、この持ち方はコンパクトデジタルカメラの“悪い持ち方”の代表として取り上げたことがあるのだけど(手ブレしやすく安定しないのだ)、まあ、手ブレ補正も昔に比べて強力だし、今だと正しい持ち方も何もないのかもしれない。 Appleがどういう持ち方を想定してこの位置に置いたのかは知らないけど、わたしはカメラコントロールの位置に合わせて上下挟み持ちをするようになっちゃいました。 ポイント2:カメラコントロール自体は使いやすい? カメラコントロールは、それ自体がタッチセンサーになっていて、軽く押すとクッと軽い衝撃があり、その状態ですりすりすると設定を変えられるし、ダブルタップすると設定項目を変えられる。 で、最後までグッと押し込むと(ここは物理的に実際に押し込める)撮影できるというわけだ。 これらができるから「カメラコントロール」と名付けられたのだろうけど、ただ、これで細かい設定をしやすいかというと、それは難しい。 カメラコントロールで調整できるのは「露出補正」「ズーム倍率」「カメラ切替」「フォトグラフスタイル」「トーン」「被写界深度(ポートレート時のボケ調整)」の6つ。これはかなりぜいたくに搭載しましたな、って感じだ。 ということで、けっこうあるよね。 で、使っていて気になったのは操作に結構気を使うことと、誤操作しちゃうこと。意識せず指が動いちゃってズーム倍率が変わったり、露出が補正されちゃったりして、何度か困った。 誤操作の被害が少ないのは「カメラ切替」で(ちょっとでも変わったらすぐ分かるし)、これを使って0.5x→1x→2x(→5x)と倍率を変えられるのはそれなりに便利なので、使うときは大抵それだ。 そういえば、かつて「MacBook Pro」がファンクションキーの代わりにタッチバーを採用したけど、最新モデルではなくなっているし、カメラの世界ではキヤノンが初代「EOS R」で似たようなタッチ式の「マルチファンクションバー」を採用したのだけど、その後どうなったのかとんと聞かない。 ポイント3:カメラコントロールのカスタマイズはどう? カメラコントロールで注目したいのは、そのカスタマイズかと思う。 カメラコントロールの設定を開くと、押したときに起動する「カメラアプリ」を変えられる。アプリ側も対応する必要があるようだが、2024年10月初旬現在、わたしのiPhoneにはいっているアプリでは「ProCamera」と「Instagram」が対応していた。 ProCameraはいち早くカメラコントロールに対応しており、ズーム倍率や露出補正ができるようになっていた。 なお、未対応のカメラアプリではシャッターとしても使えないので注意。個人的には、Leica LUXがこれに対応してくれるとうれしい。 カメラコントロールの結論 カメラコントロールをスリスリして設定を変えるというインタフェースは、アイデアとしてはいい。けれども誤操作もしやすく、使いこなすのは難しいかなと思う。 でも、シャッターボタンとしては便利で、個人的に、横位置の時はここでシャッター押す癖が付いちゃいました。 なお、2024年内のアップデートで、シャッター半押しでAF/AEを固定して全押しで撮影という「2段階シャッター」が提供される予定なので、カメラ好きの人は“乞うご期待”である。