蚊に狙われやすいボディソープの香りは? 研究で分かった意外な関係性
蚊から好かれる人っていますよね。蚊を引き付ける原因の中には、体の大きさや、皮膚の自然なにおいなど、そう簡単には変えられないものもあります。 ですが、2023年5月はじめに発表されたある研究で、どのような香りが付いたボディソープを使うかによって、違いが出る可能性があることがわかりました。ボディソープなら、簡単に対策を講じることができます。 この研究は規模が小さく、範囲も限られているため、どのボディソープを使えば蚊に刺されないのか(せめて蚊を呼び寄せないのか)を明確に示しているわけではありません。けれども、さまざまな興味深い疑問を投げかけています。
研究の内容
研究は、蚊(ネッタイシマカ[いわゆるヤブカ])と、2種類の洋服の袖を使って行われました。1つは、ボディソープで腕を洗っていない人が着ていた洋服の袖。 もう1つは、4種類のボディソープのいずれかで腕を洗った人が着ていた洋服の袖です。
花の香りのボディソープは、避けたほうがいいかも
実験に使われた4つのボディソープのなかでは、3つが蚊を呼び寄せやすかったようです。 その3つとは、ダイアル(Dial Body Wash Marula Oil)、ダヴ(Dove Deep Moisture Nourishing Body Wash)、シンプル・トゥルース(Simple Truth Organic Honey Blossom Baby Shampoo & Body Wash)と、どれもみな花の香りがするボディソープです。 ということは、蚊は、洗っていない人間の皮膚のにおいよりも、花の香りを好む可能性があるわけです。 蚊は、人間の血を吸っていないときは花の蜜をすすっていますから、この結果には納得がいきます。 ただし、蚊が引き寄せられたのは「洋服の袖のにおい」であって、その洋服を身に着けた本人は、その場にいませんでした。これが、この研究で答えの出なかった疑問の1つです。
人の匂いはシャンプーで変わる
蚊は、人間が吐き出す、温かくておいしそうな息と直面すると、花の香りに関心を示さなくなるのでしょうか?(蚊は、二酸化炭素を嗅ぎ分けて、人間などの動物を見つけます)。 驚くには値しないでしょうが、人間のにおいは、香り付きのボディソープで体を洗うと変化することが、化学分析で明らかになっています。 しかしこれは、体臭にボディソープの香りがプラスされるという単純な話ではありません。ボディソープで体を洗うと、人間の自然な体臭がいくらか消えて、そこにボディソープの新たな香りが加わるらしいのです。 研究グループは、一般消費者向けのボディソープ2種類(ダイアルとダヴ)と、「ナチュラル」を謳うブランドのボディソープ2種類(シンプル・トゥルースとネイティヴ)をテストしました。 その結果、「ナチュラル」な製品のほうが実際に、化学物質の含有量が少ないことがわかりました。それでも、ナチュラルな製品の1つ(シンプル・トゥルース)は、蚊を呼び寄せやすいボディソープとして分類されています。