北朝鮮による「ハローキティ無断使用」に日本が抗議できない「意外な理由」
水害被災者の「ハローキティ」の靴
北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の「朝鮮中央通信」は10月18日、朝鮮労働党中央委員会の金与正(キム・ヨジョン)副部長の談話を発表した。北朝鮮は15日に、韓国とつながる道路と鉄道を爆破。それを伝える北朝鮮メディアは、韓国軍が撮影した爆破シーンの写真を使用していた。 【写真】えっ大胆!? 北朝鮮で著者が見かけた数々の「著作権違反事例」 それを「無断で盗用した可能性がある」と批判した韓国軍に対して与正氏は、使用したことを認めた上で「韓国メディアが朝鮮中央通信の爆破写真を盗用しているのは、国際法や著作権の侵害に抵触しないのか」と反論した。 北朝鮮に関わる著作権の話が続いている。北朝鮮が、「サンリオ」のキャラクター「ハローキティ」を無断使用しているのではないか、という指摘がメディアで続いた。 7月下旬に、北朝鮮北西部に位置して中国と接する平安北道(ピョンアンブクド)を大水害が襲った。その被災地を、8月8日と9日に金正恩(キム・ジョンウン)総書記が再訪。被災者をねぎらった際に、テント前に置かれていたのがハローキティが付いた子ども用の靴だった。 日本のメディアには「無断使用」であるかのような報道もあったが、それは断定できない。中国などで正規に製造されたものを、輸入している可能性があるからだ。だが、北朝鮮が運営するウェブサイトではハローキティ商品が堂々と販売されている。 ウェブサイト「朝鮮の貿易」では、北朝鮮のさまざまな事業所で生産している商品を掲載している。それは、軽工業品や楽器、化粧品・漢方薬・酒類などと多様だ。その中に、「船橋(ソンギョ)織物工場」が生産したハローキティを使った複数の子ども用の服があるのだ。 このことが、日本の複数のメディアで報じられたのは9月中旬。現在もこのサイトには、日本企業のキャラクターによく似たいくつかの商品が掲載され続けている。つまり確信をもって、そうした商品を販売しているということだ。 私の43回にわたる北朝鮮取材の中では、たびたび海外の有名キャラクターを目にすることがあった。