「S&P500」から過小評価の50銘柄に厳選投資、「S&P500アクティブ」の魅力
東京海上アセットマネジメントは9月30日に「米国50社厳選株式ファンド(愛称:S&P500アクティブ)」を新規設定する。当初募集は群馬銀行で9月18日から募集が始まった。同ファンドは、米国を代表する株価指数である「S&P500」を構成する約500銘柄を投資対象とし、その中から過小評価されていると考えられる50銘柄を厳選して投資し、「S&P500」を上回るリターンをめざす。同ファンドの運用の仕組みや特徴について東京海上アセットマネジメントの投信本部部長の千葉雅弘氏(写真)に聞いた。 ――「S&P500」採用銘柄の中から市場で過小評価されている50銘柄に厳選投資し、中長期的に「S&P500」を上回る投資成果をめざすファンドですが、過去の実績ではどの程度「S&P500」をアウトパフォームしているのでしょうか? また、銘柄の厳選効果が表れるのは投資してから何年程度の期間を必要としますか?
当ファンドが採用する運用戦略(以下、当戦略)は米国で20年超の運用実績があります。2004年5月末を100とすると、2024年6月末時点で「S&P500(配当込み、米ドルベース)」が642に対し、当戦略(費用控除前、米ドルベース)で793になります。戦略設定来の約20年間の年率リターンでは「S&P500」が11.8%に対して当戦略は13.0%と、年率1.2%程度アウトパフォームしています。
また、戦略設定来のパフォーマンスを10年のローリングリターン(月次)で見てみると、どの10年間をとっても「S&P500」をアウトパフォームしており、超過収益の平均は年率1.6%でした。よって、中長期的に効果が発揮される戦略だと考えています。
当戦略で使用している企業価値推計モデルを用いて推計した企業価値と株価との差異がどの程度の期間をかけて収斂するのかについて研究したミシガン大学の論文があります。それによると、銘柄によって差はあるものの、1年間で平均して15~30%程度のペースで収斂することが示されています。設定来でローリング5年間のパフォーマンスを見ると88%の期間で「S&P500」をアウトパフォームしていることから、ポートフォリオベースでも5年程度保有すれば企業価値推計モデルの示すような適正株価に概ね近づくと考えられます。