「S&P500」から過小評価の50銘柄に厳選投資、「S&P500アクティブ」の魅力
――銘柄を厳選する方法について教えてください。その銘柄の選定の方法は、「グロース戦略」、あるいは、「バリュー戦略」のどちらのスタイルに分類されますか?
当ファンドの実質的な運用を担う独立系運用会社「アプライド・ファイナンス・キャピタル・マネジメント社(以下、アプライド社)」では独自に開発した「エコノミック・マージン」をベースとして企業価値を推計しています。企業のビジネスの資産利益率と資本コストの関係性に着目し、一般的な会計ベースの数値ではなく、キャッシュフローをベースとした企業評価であることが特徴です。
アプライド社では、1996年からリアルタイムで企業価値を推計しており、現在ではグローバルの2万社について週次でデータをアップデートして記録し続けています。過去25年間以上に亘るアプライド社による推計企業価値は、同社で実際の株価との関係を継続的に分析しており、その有効性を実証的に確認できることがこの戦略の強みであると考えます。
当戦略は「S&P500」に採用されている銘柄群を対象として企業価値推計モデルにかけて株式市場で過小評価されている50銘柄に厳選投資しますが、銘柄を選定するのはモデルによる評価だけでなく、アナリストとの協業によって決定しています。アナリストは経営者の経営戦略や経営の実態を十分に考慮して選定銘柄を選ぶことができます。また、特定のセクターに偏るようなことをせず、多面的にリスク分散されたポートフォリオにしています。この結果、グロースやバリューなど市場の局面に左右されにくい全天候型のパフォーマンスを実現しています。
――アプライド社の特徴は?
創業者のラファエル氏が米国の企業価値評価モデルを扱う会社でエンジニアとして勤務していた時に、そこでの企業分析モデルの内容が不十分であると考え、自らモデルを開発して独立起業したのが1995年です。その後、米国の大手会計事務所とパートナーシップを結んで大手企業に対して企業価値分析能力を活かしたコンサルティングビジネスを行っていました。その後、2001年には投資リサーチ会社のRIAと提携し、株式リサーチとバリュエーション・プラットフォームを提供するようになり、2004年にはトムソン社によって株式調査会社の上位20社に選定されました。