開始まで1か月 「インボイス制度」って一体どんな制度?
政府の税制改正大綱に盛り込まれた負担軽減策
政府は2022年12月23日に閣議決定した「令和5年度税制改正の大綱」に、免税事業者からインボイス発行事業者になった場合、2023年10月1日からの3年間に限り消費税の納付額を売上税額の2割に軽減(2割特例)するなどの負担軽減策を盛り込みました。また、同年10月1日にインボイス発行事業者の登録を受けるための申請期限は、従来の同年3月31日から同年9月30日まで延長されました。 この政府の負担軽減策をめぐって、フリーランスの有志団体であるインボイス制度を考えるフリーランスの会は同月5日、「(2割特例には)3年間の時限措置がついており、小規模事業者にとって重税であることに変わりはなく、事務負担の軽減にも寄与しない」などとして、同制度の中止を求める声明をツイッター上に投稿しました。また、「令和5年度税制改正に関する意見」で、影響を最小化する策がなく混乱が避けられない場合は同制度の導入を延期するよう提言していた日本商工会議所は同月16日、「(政府の負担軽減策が)真に負担軽減に資するかを検証し、必要に応じて制度改善を行うとともに、免税事業者等に対する政府広報を徹底し、事業者の混乱防止に全力を尽くしていただきたい」との小林健会頭のコメントを公式サイトで発表しています。 筆者自身もフリーランスのライターであり、かつ免税事業者ですが、昨年の後半から複数の取引先よりインボイス発行事業者になるのか否かの意思を問い合わせるメールや封書を受け取っています。取引先との相談なども踏まえての話になるでしょうが、同制度の導入が中止にならない限りフリーランスや中小事業者は頭を悩ませることになりそうです。 (取材・文:具志堅浩二)