“もしも徳川家康が自民党総裁選に出馬したら”その陣容は?マネー術から考える
1年半がかりでWedgeONLINE版「徳川家康編」が前回『家康は豊臣家をどう打ち破ったか?財力に勝る敵を負かすマネー術、最期のプロジェクト「大坂攻め」』でようやく完結。家康は大坂城を攻め落とし豊臣家を滅亡させて天下泰平の基盤を築き上げるとその翌年に亡くなった。 【画像】“もしも徳川家康が自民党総裁選に出馬したら”その陣容は?マネー術から考える このあと江戸幕府政体は250年の長きにわたるわけで、次の明治政府(途中から大日本帝国憲法下の立憲君主体制)は80年ほどしか続かなかったし、戦後の民主主義体制もまだ80年に満たない内にいろいろとモラル崩壊やらお隣さんやら内憂外患まみれでお先真っ暗な状態だ。 そう考えると、2世紀半の安定を招来した家康さんが現代の政界トップに立ったらどうなる、という話題の映画「もしも徳川家康が総理大臣になったら」(原作は小説)の設定はベタではあっても今の世情にマッチした問題提起だと思える。 そこで今回は、〝もしも家康が現代で総理大臣になろうとすればどう動くか〟をマネー術流で考察してみよう。
家康の地盤
家康の選挙地盤は三河=現在の愛知県東部。小選挙区でいえば愛知12区(岡崎・西尾)ということになる。所属政党の総裁選挙には莫大な資金が必要だから、徳川家が岡崎で代々実力者として力を蓄えてきたと仮定すると、まず間違いなく東愛知の主力物産である木綿を扱った家柄とするのが一番自然だろう。 それが生産から加工、流通まで手を伸ばし、明治維新を経て自動織機の発明もあり大規模紡績コンツェルンへと発展し、さらに自動織機のノウハウと資金が自動車の開発製造に注ぎ込まれ……あれ? これってどこかで聞いたようなストーリーではありませんか。 そう、世界最大の自動車メーカー・T自動車。ただし本稿ではこのTは徳川のTとあいなる。 トクガワ自動車自体からの企業献金がT自動車と同じく5000万円(年平均)。さらに現実のT自動車の筆頭株主さんは年間10億円以上の配当金を受け取っておられるそうだから、トクガワ自動車の家康氏にもオーナー業だけでそれぐらいの収入を与えておくと、もうそれで機密費用もカバーできるだろう。