ハミルトン、”まことに不運”なボラード遭遇でQ1敗退……しかしメルセデスでの最終戦に全力「マシンはとっても良い状態なんだ」|F1アブダビGP
F1アブダビGPの予選で、メルセデスのルイス・ハミルトンはQ1敗退を喫した。アタックラップ中、他車が跳ね飛ばしたコース脇のボラードがマシンの下面に挟まってしまい、大きくタイムロス。Q2進出を果たせなかったのだ。 【リザルト】F1最終戦アブダビGP 決勝レースグリッド一覧 ハミルトンは予選は不運だったとしながらも、レースペースはまずまずであり、決勝では入賞を狙えるはずだと語った。 ハミルトンのメルセデスでのキャリアは、予選を終えた段階では薔薇色の結末とはなっていない。 予選Q1の最終アタックで、前を行くケビン・マグヌッセン(ハース)に追いついたハミルトン。マグヌッセンはハミルトンの接近に気付いており、コースの左側に寄ってラインを開けようとした。しかしマグヌッセンはこの時、ショートカットを防止するためのボラードを跳ね飛ばしてしまった。 しかもそのボラードは、あろうことかコース上に飛んでいってしまい、そこにまことに最悪のタイミングでハミルトンが差し掛かってしまう。そして、ハミルトン車のフロア下に引っかかってしまった。これによりハミルトンは、セクター3でタイムを大きく失い、Q1敗退となった。 「どんな感情もないよ。かなり落ち着いている。不運なセッションで、ボラードがマシンの下に引っかかってしまったんだ……」 ハミルトンは予選後にそう語った。 「セクター3は今週末、チームとして最も苦労していた部分だ。でもマシンの感触は、全体的にとても良かった。FP3では3番手だから、正直に言って表彰台を争うことになると思っていた。レースペースは2番目に速かったしね」 「セットアップを変更したおかげで、マシンがここ5戦とは全く違うモノになった。今週末は本当に調子が良かったから、残念だよ」 「でも、全ての瞬間を楽しんでいる。マシンはとても良い状態なんだ」 ハミルトンは16番手から決勝レースをスタートすることになる。レースペースには自信を持っているため、入賞を目指すことができるはずだと語った。 「ペースはまずまずだったけど、オーバーテイクするのは簡単ではないだろう。今は良い戦略を立てなければいけない。表彰台を争うのは難しいけど、どこまで行けるか見てみよう。トップ10に入れたら最高だね」 ハミルトンはメルセデス時代に、数々の輝かしい成績を残してきた。ドライバーズチャンピオンにも6回輝いた。しかしハミルトンは今季限りでそのメルセデスを離れ、来季からフェラーリに加入することになっている。つまり今週末のレースが、メルセデスでの最後のレースということになる。 決勝レースが行なわれる日曜日の朝起きた時、どんな気持ちになると思うかと尋ねられたハミルトンは、次のように語った。 「やり遂げたという気持ちになるだろうね。とても厳しい戦いとなった1年を生き延びてきたんだ」 そうハミルトンは言う。 「今年もうレースに出られないことを悲しむかどうかは分からないけど、来年が来れば、すぐに一緒に働いてきた人たちのことが恋しくなるだろうね」 「明日はフィニッシュラインを目指して、良いオーバーテイクをしようと思っている」
田中 健一 Mark Mann-Bryans