急増する「家族葬」「小さな葬儀」に潜む“意外なトラブル”にもっと注意すべきだ メリット・デメリットを専門家が解説
結婚しても子どもをもたない夫婦、いわゆる「おふたりさま」が増えている。 共働きが多く経済的に豊か、仲よし夫婦が多いなどのメリットはあるものの、一方で「老後に頼れる子どもがいない」という不安や心配がある。 そんな「おふたりさまの老後」の盲点を明らかにし、不安や心配ごとをクリアしようと上梓されたのが『「おふたりさまの老後」は準備が10割』だ。 【数字で見る】「どんな葬儀を選んだ?」家族葬・小さな葬儀を選んだ人の割合、驚きのアンケート調査 著者は「相続と供養に精通する終活の専門家」として多くの人の終活サポートを経験してきた松尾拓也氏。北海道で墓石店を営むかたわら、行政書士、ファイナンシャル・プランナー、家族信託専門士、相続診断士など、さまざまな資格をもつ。
その松尾氏が、「家族葬」など最近増えている小規模な葬儀について解説する。 ■コロナ禍が拍車をかけた「葬儀の小規模化・簡素化」 近年、葬儀の「小規模化」「簡素化」が進んでいます。 従来のように、家族・親族だけでなく、知人や地域の人、職場関係者なども集まる葬儀は「一般葬」と呼ばれます。 一般葬では、前日夜に通夜(通夜振る舞い)、当日に葬儀・告別式を行い、火葬・お骨上げをして、初七日法要を経たのち、四十九日法要で遺骨をお墓に埋葬する。というのが一般的な流れでした。
しかし、コロナ禍が葬儀の小規模化、簡素化に拍車をかけました。 その結果、「家族葬」「一日葬」「直葬」といった形態のお葬式を選ぶ人が増えているのです。 今後、多くの人が参列するスタイルの一般葬は減っていくでしょう。 しかし、本当にそれでよいのでしょうか? 「家族葬」「一日葬」「直葬」それぞれを簡単に紹介すると、 ★「家族葬」は親族や近親者のみで小規模に行うもの ★「一日葬」は通夜なしで告別式のみを行うもの
★「直葬」は通夜も告別式も行わず火葬をするもの となります。 今では家族葬が半数を超えているというアンケート調査もあります。 ■「故人と縁のあった人々のための儀式」でもある また、葬儀といえば「誰に伝えるべきか」という問題があります。 家族以外に訃報を伝えず、ごく近い身内だけで葬儀を済ませるというケース も増えています。 簡素な葬儀は遺族にとって負担が少ないのかもしれません。 しかしまず考えたいのは「葬儀は誰のためのものか」ということです。