サッカー日本代表の攻撃的3バックシステムが猛威 10月のサウジアラビア戦、オーストラリア戦はどうなる?
【相手を揺さぶった日本が後半有利に】 とはいえ、ボール支配率は70%を記録するなど、酷暑のなかでエネルギーを無駄に消耗せず、被カウンターを回避しながら相手を揺さぶって疲労させたという点で、日本が一枚も二枚も上手だったと見ることもできる。ある意味、その効率性が後半のゴールラッシュの呼び水となった。 バーレーンにとって不運だったのは、失点直後の前半37分に7番が負傷交代を強いられたことだった。代わって入った11番はカウンターの起点になれず、後半に入ると守備に追われて最終ラインに吸収されてしまい、バーレーンは自陣で6バックスを形成。中盤がさらに薄くなり、2トップが下がることでコンパクトさを保とうとしたため、「6-4」という悲劇的な陣形で日本に終始押し込まれる格好となった。 こうなってしまった時点で、タライッチ監督のゲームプランは完全に崩壊した。 そんななか、後半開始から右WBを伊東純也に代えた日本の攻撃が活性化。前半からピストンを繰り返した8番には、もはやフレッシュな伊東のテクニックとスピードについていくだけのスタミナと集中力はなく、反撃時に日本陣内に攻め上がる余力もなかった。 加えて、日本の攻撃で変化があったのは、鎌田大地が下がってプレーするシーンが増えたこと。代わって鎌田が空けたスペースを2列目から狙ったのは守田だった。このふたりの入れ替わりの動きにバーレーンはついていけず、次第に6人になったDFラインにギャップが増え始めると、日本の攻撃はそのギャップを突くスルーパス主体に変化した。 後半開始早々の47分に生まれた2点目は、鎌田が三笘に出したスルーパスを相手DFがカットした直後に南野が即時回収し、三笘、鎌田、伊東とつないで、最後に上田がフィニッシュ。61分は、右に開いて守田からパスを受けた鎌田を起点に、守田が上田のポストプレーを活用して自らボックスに進入してゴールが生まれ、64分も、鎌田のスルーパスを三笘が折り返し、ゴール前に飛び込んだ守田が合わせるかたちで日本が追加点を奪っている。 結局、後半は81分に小川航基が加点した日本がバーレーンを圧倒。ボール支配率が前半の70%から76.1%に上昇しただけでなく、クロス本数も11本に増加。スルーパスが増えた分、くさびの縦パスは4本に微減したが、前半と比べて日本の攻撃は確実に破壊力を増していた。そういう意味で、相手の問題も影響したとはいえ、日本にとっては申し分のない試合になったと言えるだろう。